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映画で学ぶ統一原理 17

(この記事は、『世界家庭』2019年9月号に掲載されたものです)

ナビゲーター:渡邊一喜

『インターステラー』
2014年。169
87回アカデミー賞、視覚効果賞受賞

宇宙飛行士とAI ロボットの姿を通して問う「真の人間らしさ」

前編第3章 終末論、第4節 終末と現世

 「終末論」に「第一祝福復帰の現象」という項がある。第一祝福が復帰されていっていることを説明し、現代が終末であることを証明する部分である。ここで我々は、個性完成の条件を確認し、真の人間らしさを学ぶ。

 今回はそんな「真の人間らしさ」を、『インターステラー』を通じて考えてみたい。
 この作品はクリストファー・ノーランが監督を務め、制作総指揮に米国の理論物理学者キップ・ソーン(2017年ノーベル物理学賞受賞)を迎え、最新の宇宙理論に基づき作られた。 

 舞台は、近未来の地球である。異常気象により植物が枯死し、人類は食糧難に陥り、破滅へのカウントダウンが始まっていた。NASAは解散し、米国ですら軍隊を維持することが難しくなっている。

 そんな地球規模の危機的状況の中、元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は妻に先だたれ、子供2人を抱えながら農業を営んでいた。しかし彼は、ひょんなことからNASAの秘密研究所を発見し、彼らが人類存続の希望を秘密裏に、宇宙に探していることを知るようになる。

 すでに3人の宇宙飛行士が人間の生活可能な惑星を探すために旅立っていた。さらなる惑星の探査のために勧誘を受けたクーパーは、残していく家族のことを思い、悩むが、その家族を守るためにチーム入りを希望する。

 そして彼は3人の宇宙飛行士と2体のAIロボットと共に、宇宙に旅立つのだった。

 相対性理論をはじめとした、複雑極まりない科学理論を正確に用いながら進められるストーリーは難解のようでありながら、その推進力は登場人物の感情にあり、それは至ってシンプルである。

 この映画は、「自己愛」「隣人愛」をめぐり、「人間らしさとは何か?」を問いかけてくる。登場人物たちは常に負荷の高い選択に迫られている。自己愛VS隣人愛、家族愛VS人類愛。とどまれば絶望しかないという状況下で、時にAIのプログラミングがより自己犠牲的で人間らしく映りさえもする。

 「終末論」の当該箇所では、「心霊」「本心の自由」「創造本然の価値性」「本性の愛」の復帰現象を現代に見ている。作中ではクーパーの自己犠牲的な選択が、最終的に厳しくとも希望の残る未来を創り出していった。

 この映画は、自分自身の内面を見詰め直し、「真の人間らしさ」を考えるきっかけになるはずである。

(『世界家庭』2019年9月号より)

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