家族の絆づくり 150
モチベーションを高める発想とは?

ナビゲーター:阿部 美樹

問題の分析よりも願いの明確化
 人生における課題や問題に直面した時、皆さんならどんな発想をするでしょうか。

 一般的には、「何が問題だったのか?」「どうして、こんなことが起こったのか?」と考えて、問題分析と原因解明をしようとします。
 問題の本質が分かり原因が分かれば、軌道修正して解決することができるからです。

 それによって「〜しないようにしよう」「〜すべきではない」「〜しなければならない」という解決の方向性が見えてくるでしょう。
 しかしそれを実行するモチベーションはあまり高くないことが多いものです。課題や問題の処理は、決して楽しいことではないからです。

 一方、課題や問題を分析するのではなく、「どうなりたいのか?」「どうしたいのか?」と考えて、理想の姿、なりたいゴールを思い描くことはどうでしょうか。

 願いがかなうことを考えると、ワクワクしたり、うれしくなったり、自然とモチベーションも高まります。「やらなければならないこと」には力が出なくても、「やりたいこと」に対しては、前向きな意欲が出てきます。

主人意識を持った人の生き方
 また、理想の姿を思い描くときには、「やれるのか?」「なれるのか?」という現実に基づいた可能性について考えやすいものですが、実現の可能性が高いのか低いのかは大切なことではありません。「したいこと」「なりたいこと」には経験や能力にかかわらず、計り知れない力が湧いてくるからです。

 さらに、「したいこと」「なりたいこと」の主語は、常に「私」であることが大切です。
 「他人がやって欲しいこと」、「他人がなって欲しい姿」を考えれば考えるほど、相手に対する要求心が湧いてきます。

 私がコントロールできるのは、私の思考と行動のみです。
 例えば、子供のことで悩んでいる時でも、子供のために「私がしたいこと」「私がなりたい姿」を思い描くことです。

 このような姿勢こそ、主人意識を持った人の生き方なのです。