新年を迎えて、『世界家庭』(2020年12月号/天一国8年天暦10月号)に掲載された方相逸・神日本大陸会長のメッセージ(2020年10月29日、東京都大田区)を紹介します。

方相逸・大陸会長のメッセージ
勝利の旗を立てる天の孝子・孝女となりましょう

 10月29日、東京都大田区の会場で、全国から牧会者と婦人代表約700人が集い、「神日本家庭連合 新体制出発式」が行われました。天の父母様聖会の神日本大陸会長に新しく就任した方相逸・大陸会長が挨拶に立ち、今後の天の父母様聖会の方針を発表しました。(文責・『世界家庭』編集部)

台湾人事から数えて600日目に与えられた神日本大陸会長の使命
 本日、ここにお集まりの責任者の皆様! こんにちは! 皆様の名前を一人一人挙げて挨拶をしたいのですが、時間の関係上、省略させていただくことを、ご理解ください。
 私は1998年に真の父母様から命を受け、宣教師として来日しました。すでに22年がたちました。

 21年目となった昨年、私は台湾特別地区の地区長(台湾天一国特使)の使命が与えられ、1年9カ月間、活動して、このたび、天の父母様聖会の神日本大陸会長に任命されました。それは、台湾人事から数えて、ちょうど600日目のことでした。

 まずは、不足な者に神日本大陸会長という重責を任せてくださった天の父母様(神様)と天地人真の父母様に心より感謝申し上げます。

 私にとって今回の人事は、正に青天の霹靂、驚くべきものでした。私自身がそのような状況だったのですから、皆様はどれだけ驚かれたことでしょうか?

 私は今、責任の重さに身の引き締まる思いで、この場に立っています。全国の指導者の皆様! これからどうぞよろしくお願いいたします。

天の摂理の重責を背負い、孤独な道を歩まれる真のお母様
 初めに、私の父について、少しお話しさせていただきます。

 父は日本の岩手県で約2年間、炭鉱夫として強制労働に従事し、言葉では言い表せないほどの苦痛に遭いながらも生き残りました。

 ある夜、父は、「今夜、逃げなければ、明日、死ぬだろう」と強く感じたそうです。命がなくなれば、家族や友人に二度と会うことはできません。父は、「ここにいて死ぬくらいなら、逃げて死んだほうがいい」と覚悟を決め、脱走しました。そして、岩手から下関(山口県)まで、四か月間かけて逃げたのです。

 途中、どれだけおなかがすいたでしょうか。父は、何度も力が尽きそうになりました。また、「警察に捕まるのではないか」と考えると、恐ろしくてたまらなかったと、私に何度も話しました。

 そして、一人で逃亡する間に襲ってくる孤独感は、死の恐怖にも匹敵するものだったといいます。父は四か月間、毎日、毎日、死の恐怖を味わいながらも、祖国にたどり着くことができました。

 尊敬する指導者の皆様! 全人類の救援のために歩まれる真のお母様は、地上の誰にも相談することができず、一人、孤独な道を歩んでおられます。安楽な生活を送ることができるにもかかわらず、そのようになさらないのです。

 中断なき前進を訴え、地上の摂理の先頭に立たれる真のお母様は、眠ることもできずに夜を過ごしていらっしゃいます。人知れず深い精誠を捧げ、涙で夜を明かしておられるのです。
 私の脳裏から離れることがない、父の、「一人でいるときがいちばん恐ろしかった」という話を思い返すたびに、真のお母様のお姿が、目の前に浮かんできます。

 外的には、華麗な天正宮博物館にいらっしゃったとしても、心には、天の摂理を担う重圧と、孤独、寂しさを抱えながら、日々を過ごしていらっしゃる真のお母様のことを思うと、心がとても痛みます。

 真のお母様が誰よりも信じ、愛情を注がれた子女様の中にも、お母様のおそばから去っていかれた方がいらっしゃいます。どれだけお寂しいでしょうか? はた目には、お母様が淡々とされているように見えるかもしれませんが、子供を失って、平安にいられる親が世の中のどこにいるでしょうか? さまざまな悩みを抱え、苦痛の中で闘われるお母様のことを思うたびに、涙があふれてきます。

 私たちが子女様のことをやみくもに批判し、不平不満を漏らすとき、真のお母様は、全身がずたずたに引き裂かれるような苦痛を感じていらっしゃることを、皆様もよくご存じであると信じます。

 夜、眠ることができずに、月と星を友として言葉を交わさなければならないほど、孤独で寂しい方が、私たちが侍らせていただいている真のお母様です。

 鄭元周・総裁秘書室長からこのような話を聞いたことがあります。

 ある日、鄭元周室長が朝早くに目覚めると、真のお母様は一睡もされずに夜を明かされたのか、目がとても腫れていて、涙をふき取った紙くずでごみ箱はいっぱいになっていたというのです。

血と汗と涙を流す所に天の父母様が共にいらっしゃる
 指導者の皆様、3年に及ぶ侍墓生活がどのようなものかご存じですか? 韓国の牧会者の方ならご存じでしょう。

 私の父は75歳で亡くなりました。韓国では伝統的に、親が亡くなれば葬儀に3日を費やし、その間、子供たちは眠らないという規律があります。親が亡くなれば、子供たちは安楽に寝てはいけないというのです。気を抜いて少しでもうとうとすれば、葬儀を見守る村の長老のような方が、「親不孝もはなはだしい息子だ! 親が亡くなったのに居眠りするとは何事だ!」と、恐ろしい剣幕で叱りつけます。

 ですから、私も父の葬儀で3日間、寝ることができませんでした。「死ぬかもしれない」と思うほど大変な思いをしたので、母に「お母さんは絶対に死なないでください」と懇切に願ったほどです。

 真のお母様は3日でも3か月でもない3年間、1095日間、雨が降ろうが、雪嵐が吹き荒れようが、一日も欠かすことなく、朝、昼、夕、一日に3回以上、本郷苑を訪ねて真のお父様に侍り、精誠を捧げるという、驚くべき闘いに勝利されました。

 尊敬する全国の指導者の皆様! 天の役事は、平安な場所では起きません。真のお父様は、サタンがどれだけ賢く、驕慢なのかをご存じで、「サタンは苦労を嫌がり、安楽な場所を好む」と教えてくださいました。

 その一方で、苦労の多い所には、サタンではなく、天の父母様がいらっしゃると教えてくださり、「宗教は迫害の道を行きます。血と汗と涙を流さなければなりません。そのような場所こそ、いちばん安全です」と語られました。

 サタンは驕慢で犠牲を嫌い、血と汗と涙を流すことを嫌がります。血と汗と涙を流す所には天の父母様が共にいらっしゃるので、いちばん悲惨な所こそ、いちばん安全な所になるという、真のお父様の教えを、私たちは肝に銘じてまいりましょう。

摂理の勝敗を決める三大要素
 私たちはきょう、勝利された真のお母様によって導かれ、ビジョン2027に向けて出帆する神日本家庭連合の歴史的な新体制出発の瞬間を迎えました。

 方針発表に先だち、ここに参席している全ての責任者が認識すべき内容について、まずお伝えします。

 それは、摂理の勝敗を決める三大要素です。皆様はそのように聞くと、何を思い浮かべますか? さまざまな要素が考えられると思いますが、私が考える三つは「時」「方向」「速度」です。

 この三つの要素の中で、「方向」と「速度」は責任者によって決まりますが、摂理の「時」は、私たちにはどうすることもできません。それは、摂理を主管される天の父母様と真の父母様によって決定されるからです。

 それでは、今が摂理のどのような「時」であるのか確認しておきます。

 第一に、真のお父様の聖和後、真のお母様が「摂理の新しい春を迎えました」というみ言を下さったように、今は「摂理の春」です。

 第二に、今は「摂理の伝統を立てる時」です。真のお母様は、今回の世界的な組織整備と人事異動に関して次のように語られました。

 「私は、摂理の伝統を立てるために三世を立てました。私が地上にいる間に全ての環境をつくって、水が流れるように、よく流れていくようにするでしょう」

 第三に、今は「天一国を安着させて建国すべき時」です。

 真のお母様は、「2022年にこの国家を正しく立てることのできる大きな実力を備えなければなりません。そのような家庭連合、UPF(天宙平和連合)となり、この国に責任を負うという指導者たちが訪ねてきて、『油を注いでください』と言うことのできる環境をつくってくれるように願います」と語られました。

 私たちは、2027年までの第二次七年路程を通じて、「神統一世界を創建する時」を迎えています。

天の父母様聖会が推進する五つの重点項目
 それでは、天の父母様聖会の方針を発表します。今後、戦略と戦術を具体的に立てながら、以下の五つの項目を重点的に推進していきます。

 一つ目は、未来人材育成です。これが最も希望であり、最も重要なことです。

 一世圏を代表する天議苑苑長、二世圏を代表する大陸会長と現職の牧会者、三世圏を代表する大陸副会長と青年指導者たちは、それぞれ過去、現在、未来を象徴します。水が流れるごとく、世代交代が円滑に進むように、二世圏、三世圏の指導者を育て、積極的に現場に配置していきます。そのための未来人材養成システムを新しく構築していきます。

 二つ目は、全祝福家庭が天寶入籍勝利家庭になることです。

 全ての祝福家庭は、メシヤ、真の父母様に従ってさらに成長しなければなりません。人類の真の父母として降臨し、縦横の八段階を勝利された天地人真の父母様の勝利圏を相続するには、神氏族メシヤを勝利するしかありません。

 神日本家庭連合は、全ての食口が天の父母様の創造理想にふさわしい神氏族メシヤとして、天寶家庭に願われる基準を実質的に勝利できるようにサポートしていきます。

 三つ目は、教区別一万人食口基盤の造成です。

 「伝道」については、いくら強調しても足りません。伝道は〝第二の私〟を創造する神聖な生命運動であり、伝道を通して、「私もあなたも生きる」のです。この時代を生きる私たちにとって、「最高の使命は伝道である」ということを忘れないでください。

 私たちがまず取りかかるべきことは、教会から足が遠のいた食口や二世を訪ね、再び真の父母様につなげることです。再復帰運動から始めなければなりません。

 皆様は、誰をいちばん伝道したいですか? その人を導くために何をしたらいいですか? 自分自身で主体的に考えてみてください!

 一度でもみ言に触れたことのある人に、天の国の実現が近づいたことを伝え、もう一度、霊的な生命を吹き込んであげなければなりません。食口たちが来たいと思える教会、誇ることのできる教会をつくっていきましょう。

 四つ目は、救国救世基盤の造成です。

 目標は、2022年までの地区別の国家の復帰と2027年までの大陸別の国家の復帰および神世界安着です。天の父母様聖会のもとで、家庭連合とUPFを中心とする摂理団体が完全に一つとなり、地区別の国家の復帰と神日本大陸の国家の復帰に向けて、全ての力を注がなければなりません。

 各地区とUPFの責任者は、全人口の三分の一以上が天の祝福を受けられるように、真の父母様の存在をあまねく伝え、地区別の国家の復帰と神日本大陸の国家の復帰を果たす実績を打ち立てていきましょう。

 また、2022年に神統一韓国が安着できるように、母の国として最大限のサポートをしていきましょう。

 五つ目は、母の国の使命完遂です。

 真の父母様は、神日本を母の国として立ててくださいました。それは、神日本にとっての最大の祝福であるとともに、大きな責任が伴います。今後も継続的に世界貢献の使命を果たしていく母の国となってまいりましょう。

真の父母様と共にある未来は希望にあふれている
 神日本家庭連合の新体制の出発に当たり、「第二次七年路程の完全勝利と新体制安着のための百日特別路程」を出発します。

 期間は11月1日から2021年2月8日までの100日間で、前半の50日と後半の50日に分けて路程を組みます(詳細は公文を参照)。

 私たちの前途は希望にあふれています。それは、真の父母様が共にいてくださるからです。希望に満たされた人には悲しみがなく、落胆がなく、絶望がありません。

 きょう、私たちは大いなる希望を持ってビジョン2027勝利に向かい、神世界安着のための新しい体制を出発しました。私は、摂理の伝統を勝利的に打ち立てられた真の父母様のもと、天から授かった神日本大陸会長の責任を果たすため、「死生決断」の覚悟で出発します。

 田中富広会長のもと、全国の責任者の皆様が、私と志を共にし、六つの地区が全て、勝利の旗を立てることのできる、天の孝子・孝女になってくださるように切にお願い申し上げます。

 ありがとうございました。