コラム・週刊Blessed Life 148
トランプの戦い~アメリカ国民の思想的健全化

新海 一朗(コラムニスト)

 クリスマス休暇で、アメリカ大統領選の新たな情報や動きについて、メディアの報道はそれほど躍っていませんが、これまでの大統領選の戦いの流れを概括すると、次の二つになります。

 一つは法的闘い(州議会、最高裁などを重視)を通じて行う流れ、もう一つは非常手段的闘い(大統領令、反乱法、戒厳令、特別検察官の任命など)の可能性を探る流れであり、両方の可能性を冷静に探り続けるスタンスでトランプは事態を見守っていると言えます。

 もちろん、非常手段的闘いと言っても、法的根拠もなく恣意的に行うことはできませんので、その十分な根拠を示しつつ実施することになります。

 大きく振り返ってみると、今回の選挙を通して分かってきたことはアメリカの左傾化のひどさです。左翼思想の浸透ぶりです。これがトランプの苦戦の大きな原因につながっています。

▲大統領就任式でスピーチするトランプ米大統領(2017年1月20日)

 この左傾化という意味には二つあります。
 一つは米国内でここ40年から50年の間に左翼思想がまん延し、キリスト教信仰を突き崩す無神論的、唯物論的挑戦があまりにもひどく、実際、その影響は侮れないほどになっています。

 もう一つは外国からの干渉であり、これは中国の影響が最も大きく、孔子学院の設置などでアメリカの若者たちが、相当中国の政治的プロパガンダの影響を受けてしまっていると見ることができます。

 特に、2019年8月にニューヨークタイムズマガジンが発表した新説、アメリカの歴史は1619年バージニア植民地に連れて来られた黒人奴隷の汚れた歴史を出発点としているという主張で、この歴史観を推進する「1619プロジェクト」を立ち上げています。

 1620年、メイフラワー号に乗って清教徒たちがアメリカにやって来たというピューリタニズムの建国史観をあざ笑うかのようなニューヨークタイムズの左翼的な思想の宣戦布告です。

 そして1776年の独立宣言において、キリスト教的な思想を掲げた宣言を否定します。それによって、米国独立の本当の目的は奴隷制を維持するのが真の動機となっていたという新しい解釈を強調します。

 そのように、黒人奴隷とその奴隷を支配し搾取する白人層の対立と戦いが米国史の本質であり、黒人と白人の階級闘争がアメリカの歴史であるという結論になるという牽強付会(自分の都合のよいように無理に理屈をこじつけること)をやってのけます。

 そんな中で、トランプの戦いはアメリカ国民の思想的健全化を図るという根本的な取り組みを見せています。

 トランプは「1776委員会」を設置し、独立宣言の内容をよく理解し、自由と平等の価値、信仰の重要性など、誇りを持って真のアメリカを建設する気概を持つ次世代の若者たちが育つように、対抗策を打ち出しました。

 「これから成長していく世代(rising generation)が、1776年に宣言されたアメリカ合衆国の建設の歴史と原則をよりよく理解して、これを通じてより完全な連邦をつくり上げる」ことを目的に、「1776委員会」を設置すると表明したのです。

 アメリカの若者たちは、自分の国の歴史に誇りが持てなくなり、自虐的になってBLM(Black Lives Matter)やAntifaの活動などに意義を見いだすなど、左傾化していく米国の現状は、米国の未来が危ぶまれるばかりで、反体制の革命思想を加速させています。

 Facebook(ザッカーバーグ、36歳)やtwitter(ジャック・ドーシー、44歳)のCEO(最高経営責任者)などはそういう米国の左傾化時代の落とし子です。
 彼らがトランプの当選を阻止する勢力の一端を担っているのです。