「幸せな結婚」を考える 66
第13章 愛が溢れる社会を目指して
②家庭は愛の学校~親は子から育てられる

 もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 第4弾は、「『幸せな結婚』を考える」を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。

ナビゲーター:長岡 高史

 今回は「子育て」について考えてみたいと思います。

 人間を含めた自然界の多くの動物が、子育てをします。しかし人間と他の動物の子育てで、圧倒的に違う点はその大変さではないでしょうか?

 0歳児は何もできません。目も見えない、寝返りも打てない、それこそ一人では何もできない状態で生まれてきます。そんな赤ちゃんに、1時間半ごとに母乳をあげ、ウンチをしたらおむつを取り替え、寝たと思ったらまた泣き出し…。

 「育児ノイローゼ」という言葉ができるのも納得してしまうほどです。
 このような大変な子育ては、自然界を見渡しても類を見ません。人間だけが命懸けで子育てをするのです。

 「なぜ、人間にだけ大変な子育てというものがあるのか」
 この問いに対して、埼玉県教育委員長(2009~2010年)を務めた松居和氏は、次のように述べています。

 「親たちが、幼児という絶対的弱者と付き合うことによって、その善性が引き出され、優しさが身に付いていく」と述べ、さらに「人は、競争に基づかない幸福観、すなわち自分の自由を犠牲にする幸福感を『子育て』から学ぶ。それがまさに『親心』であり、このプロセスが人間社会を守ってきた」と語ります。

 子は親から育てられます。同時に親も子から育てられるのです。
 家庭とは愛を基に、お互いが学び成長する「学校」であり、そこで愛を学んだ人がつくる社会こそ、優しさに溢れた社会になるのです。