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【テキスト版】
ほぼ5分でわかる人生相談Q&A
幸せな人生の極意!

第4回 結婚しないわが子が心配です。どうしたら良いでしょうか?

ナビゲーター:阿部美樹

(動画版『ほぼ5分でわかる人生相談Q&A』より)


 皆さん、こんにちは!

 今回の質問は、「結婚しないわが子が心配です。どうしたら良いでしょうか?」という質問です。

 日本の総人口は12477万人(総務省発表:20191月時点)で、前年と比較すると43万人の減少であり、その減少は10年連続となりました。

 人口減少は、若い世代の未婚化・晩婚化が大きな要因であり、生涯未婚率(50歳時の未婚割合)から見ると、男性は4人に1人、女性は7人に1人が生涯一度も結婚しないという状況です。

 このような非婚化・晩婚化に傾く若者たちの心に、どのような変化があるのでしょうか。

 かつては年頃になれば、結婚して家庭を築くのが当たり前でした。結婚したくてもできずに悩む人はいましたが、最近は自ら結婚しない選択をする人が多くなりました。

 結婚や子育てよりも仕事で自己実現したいという人もいます。結婚しても経済的な不安があり家庭に対して責任を持てないと避ける場合もあります。身体的問題や家庭の事情などもあるでしょう。最近は、不倫や離婚というトラブルも多いので、ちゅうちょする人、男女関係におけるトラブルが心の傷になって関係を深めない若者たちも増えています。

 結婚を避けるようになった原因を二つ紹介いたします。

 第一の原因は、「個人主義の蔓延」です。
 90年代から「自己決定権」という概念が盛んに主張されるようになり、「結婚する・しない、生む・生まないは個人の選択の自由に委ねられるべきである」という考え方が広がりました。

 自己決定権の名の下に「夫婦別姓」が主張され、中高生の「援助交際」まで各自の決定に委ねようして正当化される傾向もあります。
 自己決定権という概念は、極端な「個人主義」の発想であり、家族の秩序や倫理を否定する思想です。

 しかし結婚は本来、幸せの源泉である愛を育む出発点であり、幸せの土台となる家庭を築く第一歩です。
 マイペースに自分のために生きる「自己満足型の人生」から、相手の幸せのために精いっぱい生きる「愛の家庭実現型の人生」に変化してこそ、本質的な喜びがあるのではないでしょうか。

 第二の原因は、「家族関係の不仲の影響」です。
 子供が結婚せず悩んでいる親には共通点があります。それは、親自身が「結婚して良かったと思っていないこと」です。

 子供にとって「結婚のイメージ」は、父母の夫婦関係です。父母が仲良く幸せそうにしていれば、子供に何も説明をしなくても自然に、「結婚したい」「結婚は楽しい」「結婚したら幸せになる」というイメージが形成されます。

 一方、父母がいつもけんかしたり、愚痴を言ったり、無視したりする関係であれば、子供の心に「結婚は大変だ」「結婚は忍耐だ」「結婚は難しい」というイメージが形成されます。

 父母の夫婦げんかがあると子供の心には言いしれない「恐怖と不安」を感じるようになります。そのような思いは、家庭の中での体験なので深く心に刻まれ、生涯を通じて影響を与えるようになります。

 人は無意識に「安心・安全」を求める特性がありますから、結婚を避けるようになります。ですから、わが子が結婚しない、または結婚できない状況の時は、「結婚しなさい」と催促するよりも、改めて自分自身の夫婦関係を見つめ直すことが必要です。

 夫婦間で、相手に要求するのではなく、相手の話に耳を傾けて、理解すること、認めること、共感すること、思いやることを心掛けてみましょう。

 夫婦関係が「忍耐と葛藤の関係」から「喜びと愛の関係」への転換をすることこそ、子供に大きな影響を与えます。
 また、子供との親子関係を見つめ直すことも重要です。子供との関係も、何でも話せる楽しい関係をつくっていただければ、子供の心は前向きになることでしょう。

 皆さんからの質問をお待ちしています。
 また、お会いしましょう!

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