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スマホで立ち読み Vol.10
『天一国時代の信仰生活講座』(7)
天稟

前田千代子・著

 「スマホで立ち読み」コーナー第10弾は、『天一国時代の信仰生活講座』です。
 季刊『祝福家庭』で10回にわたって連載され、好評を博した前田千代子講師の「信仰生活講座」を書籍化したものです。千葉中央修練所で長年行われてきた講義のエッセンスが詰まった一冊です。
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第一章 神による召命
3. 召命される者の条件

(三)天稟
 私たちには生まれながらに、既に神様がみ旨を成すにふさわしい天稟(てんぴん)、天の資質が与えられています。それが何なのか、一人一人が見つけていかなければいけません。
 あるとき私は、教会でとても頑固な女性に出会いました。私は彼女の意志の強さに感動しました。

 彼女は反対牧師に拉致され、監禁され、何度も精神病院に入れられながら、脱出してきた人です。反対牧師も呆(あき)れるほどの頑固者でした。
 確かに頑固でなければ、その人はとっくに信仰を失っていたかもしれません。そう思うと、頑固さも一つのことを一途に貫くという天稟でしょう。

 また、真のお父様が女性たちに「宣教に行きなさい」と語られたことがあります。それに対して、ある婦人は「はい、行きます。夫婦で話し合い、決めましたから」と言われました。それを聞いた私は驚きました。

 実は、その人には就学前の幼い子供たちが三人いて、彼女の手を必要としており、また介護が必要なお父さんと障害のある未婚の妹さんもいらっしゃったのです。しかし、彼女は宣教に出ていきました。

 その後、偶然、残された彼女のご主人に出会ったとき、私は「大変でしょう。早く帰ってきてもらいたいでしょうね」と声をかけました。
 ところが、ご主人は「いや、今帰ってきてもらっては困ります。妻が一生懸命頑張っています。私も何か勝利しておかなければ妻を迎えることができません」と言われたのです。
 困難な状況にあっても「神様のために生きたい、神様のために生きる妻を支えたい」と考える心は、どこから湧いてくるのでしょうか。

 その心は、まさに天稟です。神様が与えてくださった宝物です。それは本性から来るものです。たとえ苦労であっても、困難であっても、神様のために生きたい、父母様のために生きたいという心は、本性が磨かれることによって輝いてくるのだと思います。そのような食口(シック)たちがいることは、神様と真の父母様の誇りではないでしょうか。

 私たち一人一人にも、神様は宝物の種を植えてくださっています。私たちがみ言(ことば)を聞き、実践し、いろいろな体験をしていく中で、その宝物に水と栄養を投入し、また太陽の光が注がれて、種から芽が出て、やがて花を咲かせ、結実する。私たち自身の中にそのような天稟があるのです。それが何であるか、悟ることが大切です。

 お父様は「自分を信じなさい」と語られました。神様が「私」に天稟を与えてくださったのです。神様は「私」の中の天稟を信じてくださっています。その自分を信じなければ、神様が私を信じる道はなくなってしまいます。

 もちろん私には、堕落性もあれば罪もあります。その堕落性や罪を信じるのではなく、私の中にある神様から与えられた本性、宝物を信じること、これが神様を信じることです。それが大切なことです。自分自身の中にある、神様が与えてくださった天稟を信じて歩みましょう。

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 次回は「先祖の功労」をお届けします。お楽しみに!



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