夫婦愛を育む 124
幸せの基本を忘れずに

ナビゲーター:橘 幸世

 ラジオをオンにして食事の準備をしていると、「褒める」をテーマにリスナーからの投稿が読まれていました。中には思わずほほ笑まずにはいられないエピソードも。

 娘さんが幼かった頃、パパが何かすると「パパ、男前~!」と言っていたそうです。誰にそんなせりふを習ったのかは分かりませんが(想像はつきます)、その一言でパパのやる気は120%アップ! 光景が目に浮かびますね。

 男性にとって称賛は「命のパン」と例えられるほど大切な活力の源です。愛娘からのは格別でしょう。が、鍵はやはり私たち妻からの称賛です。関係が安定しているからと気を抜かないで、改めて毎日おいしい「パン」を心掛けるよう、神様から自分へのメッセージかなとも思いました。

 そんな折、主人の食欲が今一つとなりました(時々あります)。
 「疲れた」と言いますが、体力的な疲労だけでないかもしれません。仕事が大変なのかなと内心思っても、一般的に男性が自分から悩みを話すことは滅多にありませんし、あれこれ心配されてはうっとうしいでしょう。
 妻にできることは、食事に気を配り、自然体で接しながら感謝や称賛の言葉を織り交ぜ、話をしてきたら上手に聞くように努めます(講座でお話ししてきた基本ですね)。

 そして、もう一つ大事なポイントが。
 先回ご紹介した“肝っ玉母さん”こと小澤静江さん。元受刑者たちの“母”としてだけではなく、妻として女性として、私が「お見事」と思ったことがあります。

 余命宣告された夫が自暴自棄となり愛人をつくります。複雑な思いを抱えながら、静江さんは、愛人と暮らす夫の様子を見に行きました。そこで目にしたのは、食事や洗濯物など身の回りのことをかいがいしく世話してもらっている夫の姿。「ああ、自分は全くそういうことをやってこなかったなぁ」と振り返ります。

 客観的に見れば、忙しくてその暇がなかったのは無理からぬことです。刑務所を出た人たちを突然社員として連れてきて、面倒を丸投げされた静江さんは、手探りながらも必死で彼らの世話をしました。ひたすら夫を支えてきたのです。彼女に非があろうはずがありません。けれど、一人の男として彼が求めていた潤いや癒やしを与えてこれなかった事実に気付き、反省するのです。

 そして彼女は、普通の人は思いつかないような行動に出ます。
 なんと、社交ダンスを習い始めるのです。

 3カ月後の発表会に夫を呼んで、奇麗にお化粧し、ドレスを着て、若い男性パートナーと華麗に踊る自分の姿を見てもらいます。

 見違える妻の姿を見た夫から出た言葉は……。

 「うちの女房はチョウチョのようだった」

 インタビューでうれしそうにそう語る静江さん。改めて自分を女性として見てもらえて、慰められたのではないでしょうか。妻がそんなに素敵だったとは、と「もったいなくなった」夫の心が少し戻り、仲が改善したそうです。

 感嘆するとともに、(できる範囲で)奇麗でいることの大切さを再認識させられました。家にいることの多い昨今、この点も反省です。


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