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『愛を育て、幸せをつくる結婚』~あなたにお勧めする祝福結婚(2)

 『愛を育て、幸せをつくる結婚』を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 本書は、「そもそも結婚ってすべきものなの?」「結婚はしたいけれど、自信がない」という青年男女に向けて、まずは「祝福結婚っていいかも」と思ってもらえることを目指してまとめられています。
 20~30代のかたがたに、家庭連合の結婚観について知っていただくきっかけにもなる書籍です。

世界平和統一家庭連合 「結婚と家庭」研究チーム / 編

(光言社・刊『愛を育て、幸せをつくる結婚』より)

第一章「結婚」をお勧めする理由
(1)幸せはどこに?

 誰もが「幸せ」や「喜び」を求めて生きています。しかし、全てが自分の思いどおりにいくというのはなかなか難しく、時には苦しいことや悲しいことも経験せざるを得ません。そのような中で、「どうしたら幸せになれるのか」と考えるのは当然のことと言えるでしょう。

 『100万回生きたねこ』という絵本があります。とても不思議な物語ですが、私たちに一つの大切なメッセージを投げかけてくれます。

 あるところに、100万回死んで、100万回生き返った猫がいました。彼を飼った100万人が彼を愛し、彼が死んだ時に泣きました。ある時は、猫は船乗りに飼われていました。船乗りは猫をとてもかわいがり、猫が死んだ時、泣きました。しかし、猫は船乗りが好きではありませんでした。

 また、ある時は、猫は老婆に飼われていました。老婆は猫を愛し、猫が死んだ時、泣きました。しかし、猫は老婆が好きではありませんでした。彼が好きだったのは、あくまで「自分」だけだったのです。

 そんな彼がある時、メス猫と一緒になり、メス猫との間にできた子猫たちを、「自分以上に」好きになります。時が流れ、子猫が巣立っていき、メス猫が彼に寄り添うようにして死んだ時、彼は初めて泣きました。100万回泣きました。そして息を引き取り、もう二度と生き返りませんでした。

 自分のことにしか関心がなかった猫が、初めて誰かのために生きることを知りました。初めて誰かのことを思い、涙を流したのです。この本に特別な解説はありません。しかし、この猫が「本当に生きた」のは、最後の一回だったのではないでしょうか。

 「史上最大の幸福調査」と呼ばれる「ハーバード成人発達研究」では、724人を対象に、75年間にわたって調査を行ってきました。その研究成果としてロバート・ウォールディンガー教授は、「私たちを健康にし幸福にするのは、富でも名声でも、無我夢中で働くことでもなく、良い人間関係に尽きる」と語っています。家族、友人、コミュニティーなど、周りと良いつながりを持つことで、健康を保って長生きでき、脳にも良い影響を与えるそうです。大切なのは人間関係の質と深さであり、お互いが一緒にいてどれくらい安心できるか、どれだけリラックスして、お互いが本当の自分を見せられるか、ということが重要だというのです。

 ところで、最も身近な人間関係と言えば、家族との関係です。人は家庭の中で人間関係の基本を学びます。ですから、家族との間において愛と信頼の関係を築けるかどうかが、本当に幸福になれるかどうかを大きく左右するのです。そして、家族というのは結婚して夫婦となるところから出発しますから、どのような結婚をするかということが、とても大切になってくるのです。

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 次回(7月19日)は、「『一人の人生』と『二人の人生』」をお届けします。


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