今、改めて問う、トランプを選んだアメリカの本質
トランプ勝利の根因、「反知性主義」とは何か

(U-ONE TV『KMSビューポイント』第35回より)

トランプを選んだ米国の本質
(5)アメリカ文化の根幹をなす「反知性主義」

ナビゲーター:木下 義昭

 アメリカの大統領に知的エリートを歓迎しないことは、ヒラリー・クリントンを思い出すだけで納得がいきます。「本人は特権階級の豪華な生活をしているのに、国民は生活の苦しさにあえいでいる。だからヒラリー・クリントンよりは、変わり者かも知れないがアメリカを元気にしてくれそうなトランプに期待する」となるわけです。
 この反知性主義は、アメリカならではのキリスト教という宗教を根源にして、アメリカ文化の根幹をなしているのです。

 このような反知性主義の出現を予期していた学者は少しはいたのですが、学者、ジャーナリスト、政治家、評論家のほとんどが、いざ現実に直面した時、「トランプの大統領当選は全くあり得ない!」と断言していたのです。そして自分の予測や見解の間違いを反省もせず、相変わらず、ワイドショーをはじめテレビ、新聞、雑誌等でトランプ批判を繰り返しています。全く、あきれてしまいます。

 今後、トランプ大統領は、平昌オリンピック後の北朝鮮問題、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)、パリ協定などの難題に、「強硬」「柔軟」の両方の姿勢を見せながら対応していくことでしょう。そして11月の中間選挙をどう乗り切るかが当面の課題でもあります。
 「知能」が「知性」を凌駕したという、具体的な成果を見せてほしいものです。良い結果が出れば、知性が反省・猛省し、さらに高まり、知能も高度になり、らせん状に相互に発展することとなり、「アメリカ・ファースト」から世界に貢献する「ワールド・ファースト」に発展することになるかもしれません。(終わり)

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