『平和の母』から学ぶ13の人生の道しるべ 3

忍耐という苦い種が光り輝く誇りとなる

浅川 勇男

 「平和の母」シリーズ第2弾。自叙伝書写の第一人者、浅川勇男氏による「『平和の母』から学ぶ13の人生の道しるべ」をお届けします。

 種をまけば実が実り、花が咲きます。同じように、幸福の種をまけば幸せが実り、幸せの花が咲きます。

 人を賛美して喜ばせ、困っている人に尽くす。幸福の種まきは、喜びの種まきです。

 しかし苦い種まきもあります。「忍耐」という苦い種まきです。人に尽くして誤解され、批判され、感謝されないことがあります。

 根拠のない誹謗中傷を受け、虚偽のうわさを流されることもあります。そんな時、怒りが込み上げてきて、言い返し、怒鳴り散らしたくなります。

 友人から「あんなこと言われて、よく黙っていられるわね。お人よしにも程がある」などとけしかけられ、その気になって、辛辣(しんらつ)な言葉で仕返しをします。自分の思いは発散されるかもしれませんが、争いの泥沼にはまっていきます。
 不幸の種をまいたのです。

 「良薬口に苦し」という言葉があります。「忍耐」という人生の良薬です。この良薬は、まずくて、おいしくないですが、飲みほすと人生の栄養になります。ただし副作用があるので、用法をよく学んで飲んだ方がいいでしょう。

 飲み込んで心の腹にため込むと、怨みの悪性腫瘍に転化し、時々暴発して、忍耐の期間を吹き飛ばしてしまいます。またため込み過ぎると、絶望、諦めという不治の病に陥ることになります。いずれも、忍耐が不幸の種まきになってしまいます。

 では、幸福の種まきになる忍耐とはどのようなものなのでしょうか?

 希望と夢を実現成就するための、前向きな忍耐です。

 「平和の母」韓鶴子夫人は、17歳で40歳の文鮮明先生と聖婚されました。
 「自分こそが(文先生の結婚相手に)ふさわしい」と考える女性は何人かいました。そのため、誰もが韓夫人を心から祝福したわけではなかったのです。

 嫉妬、ねたみ、不平不満が渦巻き、あらぬうわさが流れました。しかし、韓鶴子夫人はそれらを全て飲み込んだのです。
 怒りで対したり、反論したりすることはありませんでした。黙々として、ひたすら、尽くしていったのです。

 やがて、誰もが悔い改めて謝罪し、「よく我慢された。さすがだ」と称賛されるようになりました。

 希望と前向きな忍耐は、必ず栄光の花を咲かせます。そして人生の誇りとなります。

 韓鶴子夫人は語ります。

 「私がうれしいことばかりを経験していたなら、他の人の深い内面世界に気づくことはできなかったでしょう。また、天国の喜びも分からなかったでしょう。私は地獄のどん底まで経験し、ありとあらゆる苦労を味わいました。
 …信仰的な苦難こそ、神様の恩恵を感じられる最も貴い祝福です。その試練に打ち勝ってこそ、真なる人間として新たに生まれ変わることができます。忍耐という苦い種が一つ一つ実を結び、いつの日か、光輝く誇りとなるのです」(韓鶴子総裁自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』130ページ)

◆ ◆ 

▲自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』(ソフトカバー)の商品ページはコチラ!