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スマホで立ち読み Vol.2
『よくわかる勝共理論』(6)
中国の本質は共産主義

 もう一度皆さまにぜひ読んでいただきたい、編集部イチオシ!なコンテンツをご紹介。
 話題の書籍『よくわかる勝共理論』をお届けします。

 大好評の動画コンテンツ「ほぼ5分でわかる勝共理論」でもおなじみの中村学氏の『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』。混迷する時代の今だからこそ、しっかりと読んでおきたい一冊です。
 すでに読んだよというかたも、まだ読んだことがない、知らなかったというかたも、みんな立ち読みオーケーです。
 『よくわかる勝共理論』は第1章から第2章までをご紹介します。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

第一章
今なぜ、共産主義問題を考えるべきなのか

中国の本質は共産主義

 中国の脅威について考えるとき、最も重要なのは、中国が共産主義国家であるということです。共産主義は神を否定し、人間の心を否定する思想です。そして共産党独裁のためには暴力革命や大量虐殺も容認する思想です。この脅威が日本人にはなかなか理解できません。日本人は「話せば分かる」と思いがちなので、共産主義国家に対しても、こちらが心を開けば話が通じるのではないかと考えてしまうのです。

 しかし、共産主義は、決して「話せば分かる」という相手ではありません。「国民が豊かになれば、いずれ民主化される」という国でもありません。

 放っておけば必ず勢力を拡大させようとします。そのためには戦争も正義となります。そして支配した地域では共産党一党独裁を強制します。反対する者には過酷な弾圧を加えます。これが共産主義国家の現実です。この点を多くの日本人が理解していません。

 日本人が共産主義に対する警戒心が弱いのには、日本の歴史が関係していると私は思っています。

 日本人の多くは、「自由と民主主義」を当然のことのように考えています。ところが欧米の人々にとっては、「自由と民主主義」は長い歴史をかけ、多くの人々の犠牲の上に勝ち取られた制度です。アメリカには、「自由はただではない」(Freedom isn't free.)という言葉があります。彼らには、抑圧する王や領主に対して立ち上がり、革命を起こし、時には独立戦争まで行った歴史があるのです。その過程で多くの人が命を落としましたが、「自由と民主主義は命よりも尊い」と考えたのです。

 この対極にある思想が共産主義です。なぜなら自由と民主主義を弾圧することを正当化する思想だからです。それで欧米では、共産主義が社会的に認められることはありません。「共産党」という政党も存在しません(アメリカには一応存在しますが、議席はありません)。

 欧州連合(EU)では、新しく加盟国になるための条件がいくつかあります。これをコペンハーゲン基準と言いますが、その第一は「民主主義国家であること」です。言い換えれば、「共産主義国家ではないこと」です。つまり加盟国であることの第一条件を、「共産主義ではないこと」にしているのです。

 一方、日本の民主主義は、戦後のGHQの占領下でアメリカから一方的に与えられるかたちで導入されました。そのため日本人には、「自由と民主主義」という価値を、命を懸けてでも守るという意識が乏しいのだと思います。

 このことは、憲法九条の議論にもよく表れています。「戦争をするくらいなら、侵略されたほうがいい」という声さえあります。そんなことを言う人は、実際に侵略された地域の人々がいかに悲惨な境遇にあるかを知っているのでしょうか。人間として生きる基本的な権利が奪われるのです。移動の自由、表現の自由、経済活動の自由、あらゆる自由が束縛されます。「そんな状態で生きていても仕方ない」。多くの人がそう考え、命を懸けて戦ってきたからこそ、今の民主主義があるのです。その恩恵を享受しているのに、それを守るために自分は犠牲を払いたくないというのは、自分勝手のような気がしてなりません。

 誤解がないように言っておきますが、私は決して戦争を推奨しているのではありません。ただ人間には、命に代えてでも守るべき価値があるのではないかと言いたいのです。

 日本では中国に対して、ただの覇権主義国家として捉える傾向があります。「共産主義国家である」という部分を見落としてしまうのです。これでは中国の脅威を正しく理解できません。共産主義の脅威を正しく認識して、「共産主義には絶対に屈してはならない」という意識を日本人の中に浸透させることが急務であると思います。

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 次回(7月8日)は、「内からの脅威─『家庭の価値』の崩壊」をお届けします。


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