シリーズ・「宗教」を読み解く 113
米国聖職者指導者会議ACLC)の歴史④
「十字架から王冠へ」運動始まる

ナビゲーター:石丸 志信

 米国聖職者指導者会議(ALCL)に参加するキリスト教聖職者らは、中東平和イニシアチブ(MEPI)の推進を通してユダヤ教やイスラームの指導者らと歴史的な和解をすることができた。

 宗教の壁を超えて兄弟姉妹の絆を結ぶことで平和の礎を据えたのである。彼らがこの運動を強力に推進できた原動力になったのは、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さをよりよく理解し始め、心霊の高まりを体験したことにある。

 この聖職者たちは、2003年の初めから文鮮明総裁の提唱により「十字架から王冠へ」という運動を始めた。

 イエス・キリストの十字架の死の意味を、神の理想と救済目的からもう一度見つめ直した。そして「イエス・キリストの十字架の死はわれわれ人類の過ちであった」と深く悔い改めた。

 本来イエス様は選民たちから平和の王として迎えられるべきであったと表明して自教会の十字架を下ろし、代わりに王冠を掲げた。キリスト教の伝統から見れば、これは驚くべき出来事だった。

 当然ながら、彼らは偏見と批判にさらされ、信徒たちからの迫害も受けることになった。それでも彼らは恐れることなく、イエス・キリストの願いを成就するためにまい進するようになった。