家族の絆づくり 93
「ありのまま」に生きる素晴らしさ

ナビゲーター:阿部 美樹

「ありのまま」とは良い言葉? 悪い言葉?

 「ありのまま」に生きる人とは、どのような人でしょうか?
 「ありのまま」というと、「自分勝手に生きる」「気ままに生きる」「やりたい放題に生きる」など、無秩序にいい加減に生きているというイメージを持たれる場合があります。

 善なる人生を求めてきた宗教人は、悪に傾きやすい社会環境の中で、罪を清め、堕落性を脱ごうとして、湧き上がる欲望どおりに生きるよりも、禁欲と自戒の生活を心掛けて努力してきました。

 しかし、悪なる欲望を意識するよりも、善なる欲望どおりに生きようとすることの方が大切な時代を迎えました。

 人間の心の中に「第二の神様」である「良心」が存在し、誰かから教えられなくても正しい判断をして、自分にふさわしい答えを見いだそうとします。良心を中心にありのままに生きる生き方です。

誰もが自分で答えを見つけ出す力を持つ

 『原理講論』には、「原理を離れた自由はない」「責任のない自由はない」「実績のない自由はない」と記されています。

 自由に生きたとしても、原理的に判断しようとし、行動に責任を持とうとし、神様を喜ばせるような実績を上げようとします。

 ありのままに自由に生きることを、「非原理」「無責任」「実績なし」と考えていた蕩減時代の枠を外し、人は「原理的に」「責任を持ち」「実績ある」ように生きることを信じましょう。

 相手に「教えよう」とするよりも、「尋ねよう」とすることが必要です。なぜかというと、「答え」は教える側にあるのではなく、教えられる側にあるからです。

 才能や経験、能力にかかわらず、神は全ての人を「人生の主人公」にしてあげようとして創造しました。ですから、誰もが自分で答えを見つけ出す力を持っています。