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スマホで立ち読み Vol.2
『よくわかる勝共理論』(8)
マルクスとエンゲルス

 「ほぼ5勝共」でおなじみの中村学氏の『よくわかる勝共理論~日本と世界の平和のために』。混迷する時代の今だからこそ、しっかりと読んでおきたい一冊。
 すでに読んだよというかたも、まだ読んだことがない、知らなかったというかたも、みんな立ち読みオーケーです。

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中村 学・著

(光言社刊『よくわかる勝共理論』より)

第二章
マルクスの動機

マルクスとエンゲルス

 この章では、共産主義思想を体系化したカール・マルクス(1818~1883)について説明します。

 マルクスの紹介から始めるのは、少し遠回りな感じがするかもしれません。しかしマルクスの生涯を知ることは、彼が作った理論を理解するうえで非常に重要です。なぜなら思想とは、ただの記号ではないからです。思想には人々の心に訴えかける力があります。ただの論理ではありません。思想には何らかの思いが込められています。そして共産主義には、特にこのことが当てはまります。

 結論から言うと、共産主義思想に込められた思いとは“怨(うら)み”です。マルクスは不遇な境遇で育ち、多くの人々を怨みました。やがて社会全体を怨み、さらには神様をも怨むようになりました。この怨みこそが共産主義思想の背後にある力です。

 さて、共産主義思想はマルクスが一人で書いたのではありません。マルクスはまず、自分の考えを膨大なメモとして残しました。そしてそれをまとめながら論文として発表していきました。ところが彼は、それを最後まで完成させることなく他界しました。貧困と病気の苦痛の中で、六十四歳で亡くなりました。その後、彼のメモをもとに論文を完成させたのは、彼の盟友のフリードリヒ・エンゲルス(1820~1895)でした。共産主義思想は、マルクスとエンゲルスによって体系立てられたのです。ですから日本では、共産主義の思想を「マルクス=エンゲルス全集」(全五十三巻、大月書店)として販売しているものもあります。

 マルクスは、年をとり、貧困の中で、そして病気の中でも共産主義を執筆しました。命を落とすまで書き続けたのです。恐るべき執念です。そのエネルギーの源は、彼の強烈な怨みでした。実在する人物を怨んだとしても、その復讐(ふくしゅう)のために人生を費やす人はあまりいないと思います。マルクスはそれほどまでに、神と社会を怨んでいたということです。

 では、マルクスはどのようにして、それほどまでの怨みを持つようになったのでしょうか。

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 次回は、「共産主義社会とは『生産手段を共有する社会』」をお届けします。


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