日本、2020年に「宇宙部隊」創設!(後編)

(第3回 ここがポイント! ビューポイント〈プレゼンター:木下義昭〉より)

 ここで、米軍の概略を見ていきます。
 米軍は陸海空軍の3軍、海兵隊、沿岸警備隊を含めた5軍からなっています。

 「アメリカ宇宙軍」は1985年9月23日に設立され、2002年10月1日に空軍主体のアメリカ戦略軍に整理・統合されました。
 そして2019年に第6の軍種となる「宇宙軍」として独立したのです。

 軍事大国である中国とロシアは、いずれも「宇宙強国」を目指しています。
 中国は「宇宙を制したものが軍事的覇権を制する」という考えのもと、空軍と宇宙軍を一体化して強化する戦略を打ち出しています。

 特にこの両国は、敵国の通信や情報収集のネットワークを停止させる衛星攻撃技術(いわゆる「キラー衛星」)として、米国をしのぐ強力なレーザー兵器を保有しています。
 中国、ロシアそして北朝鮮の宇宙での「脅威」は、ますます強大となっていくでしょう。

 次に、宇宙でのルールを決めた「宇宙条約」について見ていきます。
 1967年1月27日に調印され、同年10月10日に発効しました。現在109カ国が加盟しています。

 「宇宙憲章」としての性格を持つと同時に,他面では「宇宙における軍備規制条約」としての性格を持っています。前者としては宇宙空間と天体の探査や利用についての基本原則を定めており、とりわけ宇宙天体の領有禁止、宇宙活動が国際法に従って行われることなどを規定しています。

 ここが第3のポイントです!
 問題は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)は宇宙空間を「通過する」だけであるとして禁止されておらず、核大国の軍事的活動にあまり支障がないように仕組まれていることです。

 さらに、ここが第4のポイントです!
 宇宙条約では宇宙の領有は認められていませんが、宇宙の軍事大国がその軍事力をもとに強行に領有した場合、その違反行為を制止できるのかということです。
 違反者に対する強制力が不十分、という問題点があります。

 実際、ロシアによる北方領土の不法占拠など国際法違反はまかり通っています。世界の紛争の大きな原因は、領土問題です。

 話が深刻になってきましたので、ここで宇宙に関する音楽についてお話します。

 皆さんご存じの、イギリスの作曲家ホルストの組曲「惑星」です。タイトルは「惑星」ですが、天文学ではなく占星術から着想を得たもので、ホルストが神秘性のある東洋に関心を持っていたため東洋的な題材を入れ、イングランド各地の民謡を用いた作品です。

 最も有名なのが、第2曲「火星(マーズ)」および第4曲「木星(ジュピター)」です。特に「木星」第4主題は知名度が高く、イギリスでは愛国歌として愛唱されています。

 ホルストの「惑星」は、宇宙の戦争を無くし、永遠に続く平和な宇宙であることを願った名曲です。

 続いて、宇宙に関する書籍をご紹介します。
 9月に発売された、宇宙学研究者の高水裕一先生の新著『知らなきゃよかった宇宙の話~ホーキング博士が教えてくれた!』です。

 高水先生は、筑波大学計算科学研究センターに勤務する宇宙学研究者であり理学博士です。
 そしてケンブリッジ大学にて故ホーキング博士のもと宇宙の研究を行った、ホーキング博士の「最後の日本人教え子」でもあります。

 彼は言います。「宇宙を学べば学ぶほど、世界の平和と人間生命の尊さ大切さを教えられます」

 また、これまで多くの飛行士が宇宙に飛び立っていきましたが、その多くが「宇宙から地球を見ると国境が見えなかった!」と言います。

 宇宙とは、天が与えた「共通の財産」です。
 人類、国家、民族の名において、勝手な独善的な支配は許されません!

 このたびの「宇宙軍」創設は戦争のためではなく、「戦争を抑止するための平和を守る軍隊」という崇高な使命を果たしてほしいと思います。

(U-ONE TV『ここがポイント!ビューポイント』第3回「日本、2020年に「宇宙部隊」創設!」より)

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