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氏族伝道の心理学 17
天地人真の父母様とは

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第9弾、『成約時代の牧会カウンセリング 氏族伝道の心理学』を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。

大知 勇治・著

(光言社・刊『成約時代の牧会カウンセリング 氏族伝道の心理学』より)

第2章 心の問題と復帰歴史
天地人真の父母様とは
 話が少しずれてしまいましたが、復帰歴史の中の神様の姿を丁寧に追っていくと、神様の苦悩、不安と怒りがよく見えてきます。アダムとエバの堕落以来、不安と怒りの中にあって苦しまれていた、そうした神様の姿です。

 では、天地人真の父母様とは、どのようなお方であられるのでしょうか。神様の不安と怒りを解かれた方、つまり、傷ついて苦しまれていた神様の心を癒やされた、いわば神様の主治医のような役割も果たされた方、とも言えるのではないでしょうか。

 心を癒やすことは、簡単なことではありません。

 私自身、心の病の治療を専門としている者ですが、不安と怒りの中にあって気持ちが不安定な人の話を聞きながら、その人の気持ちを整理して、落ち着かせていくことは、多くのエネルギーが必要です。私が、それを専門家としてやっていけるのは、カウンセリングには枠組みがあり、例えば、一週間に一回、一時間、というように時間が区切られているからです。カウンセラーは、患者さんに個人的な連絡先を教えることは、基本的にはありません。もし教えると、患者さんが不安になった時に、いつでも連絡を入れてくるようになるからです。そうなると、カウンセラーのほうが、もたなくなってしまいます。

 ですから、心の病をもっている人の家族は、本当に大変です。統合失調症にしろ、アルコール依存にしろ、その他の病気にしろ、心の病をもっている人の家族は、二十四時間対応しなければなりません。心が休まる時がありません。ですから、結局は別居したり、入院させたり、施設に入れたりと、家族は、患者から離れることを考えるようになります。

 しかし、真の父母様は生涯を懸けて、神様をいたわり、神様を慰め、神様に侍ってこられました。それは、どれほど大変なことだったのでしょうか。十六歳(数え)で召命を受けた時から、休まれることなく、ひたすら神様に孝道を捧げてこられた方が、真のお父様です。

 先にも述べましたが、不安や怒りは、身近な人に向けられます。他人ならば気にならないことが、夫や妻のこと、あるいは子供のことに対しては不安になるという経験は、誰にでもあると思います。他人には、「気にし過ぎ、大丈夫よ」と言えても、自分の家族のことになると、そうは考えられなくなります。

 怒りも同様です。怒りが湧いてくるのは、誰よりも家族に対してです。他の人ならば気にならないことが、夫や妻のことになるとイライラしてくる。よその子供ならば笑って許してあげられるけれども、自分の子供に対しては腹が立ってしまうということは、誰でも経験していることだと思います。不安や怒りというのは、心情が近い人に対して起こってくるものです。

 真の父母様は、歴史上、神様に最も近い方であられるわけですから、神様の不安や怒りを一番受けてこられた方でもあるでしょう。歴史的に積み重なった神様の不安と怒りを含めた様々な思いのすべてを受け止め、神様を慰め、癒やされた方が、真の父母様です。神様の不安や怒りは、どれほど大きかったことでしょうか……。想像もつきません。

 私たちは、真の父母様の歩みを考えるとき、サタンとの闘いをイメージします。サタンと命懸けの闘いをしながら、勝利を勝ち取ってこられた真の父母様のイメージです。でも、もしかしたら、神様の心の苦悩、不安と怒り、人類に対する不信感などを解かれる歩みのほうが、もっと大変だったかもしれません。

 真のお父様は、サタンとの闘いについては語られることがありますが、神様の不安と怒りに対してどのようにしていかれたのかについては、ほとんど語られていないように思います。しかし、真の父母様のご苦労の心情を推し量っていく上で、このことはとても重要なことのように感じられます。神様の心情の解放とは、何よりも神様を不安と怒りから解放・釈放されたことであると思うからです。

 天地人真の父母様は、どれほどすごい方であられることでしょうか。ハレルヤ! アージュ!

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 次回は、「神様の怒り」をお届けします。


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