https://www.kogensha.jp

幸せを引き寄せる 10
嫁姑円満

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第7弾、『幸せを引き寄せる〜「愛天愛人愛国」家庭生活講座』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『幸せを引き寄せる〜「愛天愛人愛国」家庭生活講座』より)

第二章 人を愛する生活

嫁姑円満

 人間関係には、男と男、男と女、女と女の三つの関係があります。人は結婚して家庭を持ち、やがて子供を結婚させて、三世代家庭をつくります。三世代円満家庭こそ理想の家庭です。文鮮明先生も「三代が一緒に暮らすことを勧めています」(自叙伝、222ページ)。その理想天国家庭をつくるための最も鍵となるのが、嫁姑(しゅうとめ)、女と女の関係なのです。家系の歴史的背景を整理し、現在に福をもたらし、未来の子孫繁栄をもたらすのが円満な嫁姑なのです。とても大きな幸運を引き寄せるのです。

 しかし、現実は、なかなかうまくいかないようです。むしろ、不運を引き寄せている不仲もあります。

 ある住職さんの嫁姑に関する話があります。お盆、お彼岸はもちろんのこと、姑さんの命日には、決まってお寺に来て、それはそれは熱心に供養をしていたお嫁さんがいたそうです。住職さんは、そのお嫁さんの姿勢に感心していました。

 ところが、ある日、お嫁さんが、涙を流しながら、住職に悩みを相談をしたのです。住職さんは聴いて驚きました。さぞかし、姑を慕って供養しているのかと思っていたからです。お嫁さんは、お姑さんのことでとても悩んでいたのです。

 「住職さん、私の苦しみを聞いてください。姑の命日が来るたびに、いびられ、いじめられたことを思い出すのです。悔しくて悔しくて、どうしようもない怨みが湧いてくるんです。実を言うと、供養しながら流した涙は、悔し涙だったのです……。どうしたら、この苦しみから解放されるのでしょうか?」。

 お嫁さんは姑が憎くて、「早くお迎えが来てほしい」とまで願ったことがあったかもしれません。しかし、姑が他界したあとも、怨みは消えなかったのです。嫁姑の心のしこりは、あの世まで続くようです。

 では、どうしたら嫁姑が円満になれるのでしょうか。嫁の姑への心掛けについて、文鮮明先生は、嫁が姑を夫や子供よりも愛しなさい、と言われます。

 「自分が嫁いできて、十年、二十年がたち、姑が『おなかが痛い』と言うとき、自分の夫以上に心配し、薬を用意して姑の病気を治療してみましたか。姑だけではありません。舅に対してもそうです」(『愛天愛人愛国』、77ページ)

 「いくら厳しい姑でも、嫁がその息子、娘より、姑や舅をもっと愛するときには、一つになれるのです」(同、78ページ)

 厳しい姑に仕えて、実の親子以上の素晴らしい関係を築き、姑が他界したあとも心から慕っているお嫁さんがいます。その方が姑を愛する秘訣を語っています。

 「お嫁に来たら、自分は学校を出たとか、いろいろなことをゼロにして出発しなければ、うまくいかないと思います。学問があるがゆえに、『私が』という我が出てきます。『私はお母さんより学問がありますのよ』というような高ぶった気持ちで、『私も料理学校を出ているから、お母さん、今はこういうものを皆さん、食べるのよ』というような接し方をしたら駄目だと思います。……お姑さんも単に嫁が憎いのではなく、より良い嫁になってほしいので、いろいろ言われるのだと思います。自分が今のようになるまでには、嫁としていろいろなことを経験してきたわけです。そしてまたお嫁さんが年をとった時に苦労しないで済むよう、一つでも教えてくださっているのです……お嫁さんは、『うちの義母さんは、自分が苦労したことを私に押し付ける』と自分なりに受け取ります。時代が違うので、多少苦労し過ぎたために、言い方に角があって心を傷つけるようなこともあると思います。でも、そこを『自分たちの苦労を知ってほしいし、教えてくださっているんだ』と受け止めるべきではないでしょうか」。

 では、姑さんは、どうお嫁さんと向き合ったらいいのでしょうか。文鮮明先生は、次のように言われています。

 「自分の娘以上に嫁を、もっと愛さなければなりません。原理では、間違いなくそれを教えてくれています。外的な人(嫁)を内的な人(実の娘)より、もっと愛さなければなりません。そのようなことをすべて根本から立て直さなければ、平和な家庭になりません。家庭に嫁と姑の問題が生じるのです」(『愛天愛人愛国』、79、80ページ)

 さきほどのお嫁さんが仕えた姑さんは生前、次のように語っています。

 「姑さんも嫁さんをもらったら、いつまでも寂しく、尖(とが)ったような気持ちを持たないでください。嫁さんは自然に我が娘になるんです。実の娘は嫁にやったら姓も変わって、だんだん他人になっていくのです。それを分からないで、嫁にやった娘にこだわって、そばにいる嫁さんを悪く言ったりして感謝がないと、嫁さんと合いません。そうじゃなくて、姑さんは、嫁さんを我が娘として愛するんです。……嫁さんは年取って、最後に死に水を取ってもらう誰よりも大事な人ですよ」。

 嫁と姑が円満になることで、家庭に幸運を引き寄せるのは間違いありません。でも、それだけではありません。なんといっても、家長である夫の運勢を引き上げるのです。そして、孫の運勢を高めるのです。孫は、お母さんの愛とおばあちゃんの愛を受けて育つからなのです。夫婦だけで育てられた子供よりも、祖父母からも愛されて育った子供は運勢が大きいのです。

 「父母は現在を、子供は未来を象徴します。祖父母は過去の歴史を代表します。したがって、祖父母と父母と子供が一緒に暮らしてこそ、子供は過去と現在の両方の運勢をすべて譲り受けることができるのです」(自叙伝、222ページ)(続く)

---

 次回は、「人間関係円満」をお届けします。