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幸せを引き寄せる 7
笑顔

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第7弾、『幸せを引き寄せる〜「愛天愛人愛国」家庭生活講座』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『幸せを引き寄せる〜「愛天愛人愛国」家庭生活講座』より)

第二章 人を愛する生活

笑顔
 花には手足も十本の指もありません。風にそよぐだけで、自ら動くことができません。

 でも、人が手や指で簡単には捕まえられない蝶(ちょう)のほうから花にとまります。蜜蜂まで訪れてきます。動けない花が蝶や蜜蜂を引き寄せています。

 幸せも蝶や蜜蜂と同じです。花のような心に引き寄せられてくるのです。文鮮明先生は、「いつも笑顔でいなさい。笑顔は心の花です」(『愛天愛人愛国』、55ページ)と言われます。

 笑顔は幸運を引き寄せる心の花なのです。神様にとっては、美しく咲いた花よりも、人の笑顔が満開の花に見えるのです。

 では、笑えば必ず幸運を引き寄せることができるのでしょうか。「笑えばいいんでしょ、笑えば」などと勢い込んで不気味な笑いをしても幸運は引き寄せられません。

 文鮮明先生は、「女性は、十種類の笑いを分別して笑うことができなければなりません」(『愛天愛人愛国』、55ページ)と言われます。

 十種類の笑いを使い分けて笑う女性は必ず幸福になれる、というのです。では、一体、「十種類の笑い」とは何なのでしょうか?

 おそらく、笑うに、時あり、場所あり、相手あり、ということではないでしょうか。幸運を引き寄せる笑い時、笑う場所、笑う相手がある、ということに違いありません。

 では、一日のなかで幸福をもたらす笑い時とはいつでしょうか。朝? 昼? 夕方? それとも夜でしょうか。

 一日たっぷり不幸になって就寝前に天井を見て、にやりと笑って寝る、というのは悲しい笑いです。もう一日は終わってしまったのです。

 “一日は一年”とも言われます。朝は春、昼は夏、夕方は秋、そして夜は冬です。花や果物の種はどの季節に蒔(ま)くでしょうか。おおむね春です。そうです。朝の笑いは幸運の種蒔きなのです。朝、とてもいい笑顔で笑った奥さん、お母さんが、家に幸運を引き寄せるのです。

 では、どこで笑ったらいいのでしょうか。幸せの種はどこに蒔いたらいいのでしょうか。

 前方に誰もいないベランダではありません。掛け軸しかない床の間の前ではありません。笑いは人のためにあります。人の心こそが、笑いの種を蒔く畑なのです。答えは、玄関です。

 玄関で、夫や子供の出掛けるときに、とびきりいい笑顔で夫や子供の心に種蒔きをするのです。朝蒔いた種は、必ず、夕方や夜に、花を咲かせます。

 奥さんの出掛けの笑顔ですっかり気分を良くしたご主人は仕事の能率も上がり、こう思うことでしょう。「帰りに、妻に何かを買ってあげよう……」。

 奥さんはお金をかけずに、夫の帰宅時に望みの品が手に入ります。笑っただけでプレゼントがもらえるのですから、これほど効率の良い投資はありません。

 ところが、ある奥さんは、玄関で大いに笑っていたそうですが、ちっとも夫婦関係が良くならなかったそうです。確かに笑っていたのですが、ご主人が玄関から出たあとに笑っていたからです。

 「なんだか、すがすがしい気持ちになって、心から笑いがこみ上げてくるんです。でも、これではだめだったんですねえ」と嘆いていました。

 おそらく、玄関から、しかめ面で出たご主人も、家から五十メートルを過ぎてから、笑顔になるのでしょう。“安全”が確認されたからです。

 ご主人が転んだときに奥さんが笑えば、あざ笑うこととなり、逆に喧嘩(けんか)になります。よく磨いた包丁を手にして、大根でも切りながら、ご主人ににやりと笑うと、殺気が漂って不気味な笑いです。

 笑いは相手によっても変えなくてはなりません。文鮮明先生は、次のように言われます。

 「夫に対しては、『きゃっきゃっ』と喜んで笑うのですが、舅(しゅうと)に対しては、夫に対して笑うのと同じように笑ってはいけません。そのときは、声を出さずに唇、目から笑うのです」(『愛天愛人愛国』、78ページ)

 夫に対しては屈託のない笑いをしても、同じ笑い方を舅にすると、無作法と思われかねません。笑い方は相手に合わせて変えなさい、ということなのです。

 さて、笑顔が最も大きな効果をもたらすのは、どんなときでしょうか? うれしいとき、良いことがあったとき、愛されたときですか。

 もちろんそうですが、でも、そんな時は、もうすでに幸せになっているのです。文鮮明先生は、困難なときにこそ、笑顔を失ってはいけない、と言われるのです。

 人が不幸だと感じるときは、家族や人間関係が難しかったとき、仕事がうまくいかなかったとき、そしてお金がないとき、などです。そんなときに、「私は不幸だ」と落ち込んでいたら、ますます不幸になってしまいます。

 「町内で一番貧しくても『私たちが一番裕福に暮らしている』と、このように考えなさいということです。これが素晴らしいことです。食事を三食、四食、抜かしても、顔が平和で、にこにこ笑い、希望に満ちた顔をして歩く、そのような女性を迎えた新郎は、不幸になりません」(『愛天愛人愛国』、67、68ページ)

 笑顔は、不幸な時にこそ、幸運を引き寄せる効果を発揮するのです。

 植物は春にしか芽を出し、花を咲かせませんが、人は冬にでも、笑顔で幸福の芽を出させ、幸福の花を咲かすことができるのです。まさに、福が来るから笑うのではなく、「笑う門には福来る」のです。(続く)

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 次回は、「夫婦円満」をお届けします。