2026.08.17 22:00

魚谷さんの宗教講座 28
仏教編㉘
明治期以降の仏教
ナビゲーター:魚谷 俊輔(UPF-Japan事務総長)
明治維新によって江戸時代が終わりを告げると、明治政府は「神仏分離令」を出します。
なぜ神仏を分離するのかといえば、皇室の宗教が神道だからです。その神道に仏教という外来の宗教が混ざっていてはいけないということで、それまで千数百年間にわたって仲良くやってきたものを、いきなり「切り離せ!」と言ったわけです。
そうすると、「神社の中にある仏像・仏画や仏具は取り除くべし!」という指令が出されたわけです。それを民衆は勘違いして、各地で仏教の寺院や仏像、経典を破壊する運動が起こりました。
これを「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」といって、数年で収まったものの、これによって多くの文化財が失われました。基本的にはこの時に神社とお寺が政府によって人為的に分けられたということです。
それでは現代の仏教はどうなっているのでしょうか。
日本の仏教には13宗56派があるといわれています。
時系列的にいうと、奈良系が最初に生まれ、華厳宗(けごんしゅう/1派)、法相宗(ほっそうしゅう/1派)、律宗(りっしゅう/1派)があります。
その後に天台(てんだい)系と真言(しんごん)系が続きます。天台宗は3派、真言宗は9派に分かれております。その次に浄土(じょうど)系が来て、浄土宗(4派)、浄土真宗(10派)、時宗(じしゅう/1派)、融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう/1派)がこのグループに入ります。
さらに禅(ぜん)系が続きまして、臨済宗(りんざいしゅう/14派)、曹洞宗(そうとうしゅう/1派)、黄檗宗(おうばくしゅう/1派)がこれに入ります。そして日蓮宗(にちれんしゅう)の9派を加えると、13宗56派になるというわけです。
これが現代日本の仏教の基本的なマップということになります。
それではこれらの宗派の勢力はどのようになっているのでしょうか。
文化庁が発行している『宗教年鑑』によると、大きく五つのグループに分けて比較すれば、以下のようになります。
浄土系が2105万人の信者を擁し、全体の47%を占めています。日蓮系が955万人の信者を持ち、21%を占めています。真言系が531万人で12%、禅系を二つ(臨済宗、曹洞宗)合わせても519万人で12%、天台系が262万人で6%、奈良系が70万人で2%ということになります。信者の数からすれば、浄土系が一番大きいことになります。
一方、お寺の数はやはり浄土系が多いのですが、信者の数に比べると、禅系はお寺の数が非常に多いことが分かります。
(次回に続く)