ほぼ5分で読める統一運動 107
天道を立てる道

稲森 一郎

 今日、世界は言い知れない混沌と苦痛の中にあります。
 米国、中国、EU(欧州連合)、日本、ロシアなどの大国をはじめ、世界中の国々が山積する人類の課題にどのように対処したらよいか分からず、呻吟(しんぎん)している状態です。

 経済不況、環境汚染、政治的な不条理、人種と宗教の紛争、倫理と道徳の退廃、価値観の崩壊など、さまざまな国家的病弊や世界的課題に対して、いったい誰が責任を持ち、解決できるのか。それを見いだすことが非常に困難な状況にあります。

 統一運動(世界平和実現運動)を主導してこられた文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)夫妻の大局的な洞察は、自身の歩みを鑑みて、次のように語っています。

 「天道を立てる道は、妥協のないまっすぐな道です。人間的な面目や人間的な威信を主張できない道であり、ひたすら神様のみ旨だけのために歩む孤独な道でした。個人に運というものがあるように、家庭や国家にも家運と国運があり、さらには世界の運があります。そして天地全体には天運というものがあります。しかし、どんなに良い運勢をもって生まれた人であっても、気運が傾く時は苦難を受けるのです。良い個人運や家庭運に生まれついた人であっても、より大きな国運が傾く時は、共に没落せざるを得ません。
 さらには、国家や世界の方向も、すべてを包括し、あらゆるものの上にある天運の方向と進行によって決まるのです。ですから、この世で天道を立てるということは、すなわち個人や国家の行く道を天運に合わせるようにすることなのです」(天一国経典『平和経』、1473ページ)

 天運というものがあるので、個人や国家の生きる道も、その天運に合わせていかなければならないという警告です。
 それでは、天運(天の摂理)は20世紀から21世紀にかけて、どのような方向性を持って動いてきたのでしょうか。そのことを知らなければなりません。

 現代史の流れを見ると、20世紀(19012000年)は、まさに戦争の世紀でした。
 第1次世界大戦(19141918)が民主主義(英米仏)と全体主義(独墺土)の衝突、第2次世界大戦(19391945)が民主主義(英米仏)と全体主義(独日伊)の激突というように、台頭する全体主義に対して民主主義が立ち向かう形で戦争が展開され、いずれも民主主義陣営が勝利を収めるという結果になりました。

 第3次世界大戦(1945~)は民主主義と共産主義(全体主義)の対決になり、ソ連の崩壊(東欧を含む)を以って第1段階が終わり、中国の崩壊(北朝鮮を含む)で第2段階が終了して、完全に共産主義が地上から姿を消すという展開になりそうです。
 この流れに向かっていくのが21世紀(20012100)の天運であると見るならば、中国はいくらあがいても命脈が尽きる運命にあるということになります。

 果たしてどうなるか。
 中国の共産党政権が倒れたら、その後の中国はどう変わっていくのか。

 現在の日本と韓国の姿は、両国とも中国と米国の間で揺れ動く政治的あるいは経済的な選択肢を探し求めている姿に映りますが、中国のしたたかな戦略(だまし、搾取、賄賂、ハニートラップなど)に引っかかれば、日本は沈没します。韓国とて同じです。

 ホーリーマザー・ハン(韓鶴子総裁)の拘置所送りを断行した大統領府は中国の手にはまらないように気を付けなければなりません。
 親中派が跋扈(ばっこ)する日本の政財界も同様に中国寄りの政策で進むならば、危険極まりないことになり、国を中国に乗っ取られることになるかもしれません。