ほぼ5分で読める統一運動 102
歴史的な根本問題を解く祝福結婚の道

稲森 一郎

 多くの国々で利害の衝突によって紛争や戦争が絶え間なく起きています。強い憎しみと相互不信の中で暮らしている地球人類の姿は、苦痛と悲しみに満ちています。
 そもそも、争いや憎しみ、悲しみがどこで生まれたかを究明すると、人類社会の出発点である家庭において生まれたと、旧約聖書の失楽園物語は述べており、アダムとエバの物語、カインとアベルの物語として記述しています。

 しかし本来、神が人間に望んだのは、夫婦の和、親子の和、兄弟の和によって家族愛の絆が実現された家庭の理想でした。
 統一運動を主導される韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁は、「家和万事成」の思想についてこのように語っています。

 「夫婦が愛の神聖さを信じ、責任を果たすとき、幸せが宿る家庭が築かれます。人はみな、真の愛によって真なる夫婦となり、子女を生んで真なる父母にならなければなりません。『家和万事成(いえわしてばんじなる)』という言葉は、昔も今も、変わることのない価値を教えてくれます」(『人類の涙をぬぐう平和の母』、274ページ)

 さらに以下のようにも述べています。

 「結婚とは、互いに不足な部分を補い合いながら、相手のために一生懸命、生きていくことです。家庭連合の新郎新婦はその真理を感謝して受け入れるのですが、親たちは必死になって反対するのです。中でも最も強い反対に遭ったのが、韓国と日本のカップルでした」(同、278ページ)

 韓国の親たちの反応は実際のところどうだったのでしょうか。

 「私が日帝時代に受けた苦しみを考えると、今でも虫唾(むしず)が走る。なのに、その怨讐(おんしゅう)の国の娘と結婚するとは……。うちの家系に日本の嫁を入れることは絶対にできない! 絶対ダメだ!」(「同、278ページ)というように、激しい反対の嵐だったのというのです。にもかかわらず、韓総裁はこう続けます。

 「怨讐を愛してこそ、平和な世界を築くことができるのです。しかし、それを普通の人が実践するのは、簡単ではありません。親に認められない悔しさを抱いたまま、唇を噛んで合同結婚式を挙げた新郎新婦たちは、結婚後も茨の道を歩みましたが、中途で投げ出すことはしませんでした。彼らは子女を生み、幸せに暮らしています」(同、278ページ)

 韓鶴子総裁が語るように、韓国と日本のカップルたちは苦難を越えて、立派な家庭を営んでいるといいます。それはまさに「汝(なんじ)の敵を愛せよ」と語ったイエスの言葉の実践の結果でした。

 国を失って以降の約2000年間、流浪の民であったイスラエル民族が、1948年、イスラエル国家の再建を果たした後、土地を巡る衝突がイスラエルとアラブ諸国との間に起きました。それは今も続いています。

 アブラハムの本妻サラの子イサクの子孫がイスラエル民族となり、妾(めかけ)ハガルの子イシマエルの子孫がアラブ民族となりました。
 イスラエルとアラブの終わりなき戦争は、アブラハムの腹違いの子であるイサクとイシマエルの末裔(まつえい)の憎悪の衝突であり、激しい兄弟げんかですが、父親は同じアブラハムです。
 韓国と日本が祝福結婚で結ばれたように、最後には、イスラエルとアラブが祝福結婚で結ばれ、アブラハムから今日までの4000年間の怨恨(えんこん)と憎悪の障壁を打ち壊していく歴史的な課題が、避けて通れない大事業として残されているわけです。

 韓国と日本はその課題に挑戦し、両国間の憎悪の壁を打ち壊すことに成功し、壁に大きな穴が開いたことは事実です。
 中東問題も、最後は結婚というレベルで取り組まなければ、根本的な問題の解決はないと考えるべきでしょう。