共産主義の新しいカタチ 110

 現代社会に忍び寄る“暴力によらざる革命”、「文化マルクス主義」とは一体何なのか?
 国際勝共連合の機関紙『思想新聞』連載の「文化マルクス主義の群像〜共産主義の新しいカタチ〜」を毎週水曜日配信(予定)でお届けします。(一部、編集部による加筆・修正あり)

代議政治を骨抜きにする自治基本条例
松下理論と「市民自治」①

 松下圭一法政大名誉教授が提唱し、旧民主党政権(特に鳩山由紀夫・菅直人両内閣)で突如湧き出てきた「新しい公共」「国会内閣制」「地方主権」の概念は、実は恐るべき国家解体思想を胚胎したものです。

 特に「市民自治」理論を地方自治体に埋め込んだものが「自治基本条例」であるといえ、かつてのソビエト共産主義体制、すなわち共産革命に直結する道を開く危険なものだったのです。

維新の会と地方政治改革と地域主権
 自民党と連立与党として高市早苗政権を支えるのが「日本維新の会」。同党はかつて橋下徹元大阪市長と石原慎太郎元東京都知事が共同代表を務めた頃は、政界再編の波と相まって躍進ぶりが際立ちましたが、もともとは地域政党「大阪維新の会」が中核となりました。

 江戸時代は幕府直轄地(天領)だった大坂が「都」に名乗りを上げ、旧来からの東京への対抗意識とも相まって、「地方の反乱」に火を点けたといえます。さらに名古屋を核とする中京圏では、河村たかし名古屋市長(当時)が地域政党「減税日本」を率い、官僚主導の「中央集権」体制に「NO」を突きつけました。政権交代時の民主党も官僚主導の中央集権型行政を転換することをマニフェストに掲げていました。

 確かに、「殖産興業」と「富国強兵」をスローガンとした明治以来の日本は、一種の「封建的連邦国家」といえた江戸幕藩体制時代に比べると強力な中央集権国家でした。いつの間にか旧大蔵省をはじめとした中央官庁が予算や事業認可の権限を武器に地方行政を牛耳るような事態に陥っていました。

  この弊害をなくそうと橋本龍太郎内閣の時に省庁再編が行われるも、本質的な「構造改革」はなされず、痺れを切らしたのが橋下氏の「維新旋風」でした。

  民主党政権でも「公務員改革」をマニフェストに掲げたものの、実際にはほとんど何も変わらず、掛け声ばかりが目新しい「地域主権」が叫ばれるようになったのです。まさに「地域主権は下からの共産革命」(嶋田陽一氏「リバティ」参照)といえるのです。

(続く)

「思想新聞」2026年5月15日号より

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