青少年事情と教育を考える 47
大阪府、小中学校への「スマホ持ち込み」を容認

ナビゲーター:中田 孝誠

 大阪府は今年4月から、公立小・中学校に携帯電話やスマートフォン(スマホ)の持ち込みを認める方針です。
 昨年6月に起きた大阪北部地震をきっかけに、子供の安全確認のために持たせたいという要望が保護者からあったということです。

 文部科学省は、2009年1月、携帯電話は「学校における教育活動に直接必要のない物である」として、小・中学校への持ち込みを原則禁止にする通知を各教育委員会宛てに出しています。緊急の連絡手段とせざるを得ない場合、保護者の申請で例外的に認めるということです。その代わり、学校での情報モラル教育やネットいじめへの取り組みを徹底するよう求めています。

 大阪府も、実際に持ち込みを認めるかどうかは各学校で判断し、持ち込んだ場合でも学内での使用は禁止します。また、持ち込む場合も校内での保管方法や故障、盗難の場合の対応についてガイドラインを作成することになっています。

 ちなみに、スマホ(機能限定、子供向けのものなど含む)を使っているのは、小学生が男子30.0%、女子29.8%、中学生が男子53.9%、女子62.8%、高校生が男子95.6%、女子96.1%です(内閣府、平成29年度調査)。

 子供の安全確認という親の気持ちは理解できます。親としては、長時間の利用やゲームのやり過ぎ、有害なサイトにアクセスするのではないかという不安もあります。
 中高生の7人に1人がネット依存という厚生労働省研究班の調査も昨年発表されましたが、将来の依存を心配する親もいるでしょう。

 一方、先生たちは学内での子供たちの使用はもちろん、保管や盗難、さらに登下校時の使用などにも気を配る必要が出てきます。
 使い方を学校で指導することはもちろん、家庭でもルールを決めたり、親自身がスマホの使い方に注意する(家庭での食事中に使わないなど)といったことも大切です。
 学校と家庭が強く連携することが課題だと言えます。