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ダーウィニズムを超えて 150

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第九章 科学時代の新しい神観

(二)統一思想による新しい神観

7)四位基台と創造の二段構造

 神において、心情を中心として性相と形状が授受作用を行うと中和体あるいは合性体をなす。ここに中心、性相、形状、合性体(中和体)という四つの位置が定まる。この四つの位置からなる構造を「四位基台」と言う。

 さらに神の性相内において、内的性相と内的形状も授受作用を行い、そこにも四位基台が形成される。内的性相と内的形状の授受作用とは、神が思考されることを意味する。性相内の内的性相と内的形状の授受作用によって形成される四位基台を「内的四位基台」と言い、性相と形状の授受作用によって形成される四位基台を「外的四位基台」と言う。

 内的性相と内的形状、あるいは性相と形状において、心情を中心として授受作用を行う場合、授受作用は静的であって、授受作用の結果は合性体(中和体)となる。それは神の存在の永遠性、不変性を表している。しかるに心情から目的が生じ、目的を中心として授受作用が行われるとき、授受作用は動的となり、新生体が生じる。それは神の創造を表すものである。

 神の創造において、まず性相内において、内的性相と内的形状が目的を中心として授受作用を行い、新生体としてロゴス(構想、設計図)が形成される。次に目的を中心として、性相内のロゴスが形状の前エネルギーと授受作用を行い、新生体として被造物(万物)が創造される。この二つの四位基台の形成を「創造の二段構造」と言う(図95)。

 統一思想の言う四位基台はアリストテレスの四原因説と類似性がある。アリストテレスはすべての運動には次の四つの原因があると言う。①質料因②形相因③動力因④目的因である。家の建築を例にとって説明すれば、建築のための材料、木材、石、土、れんが等が質料因であり、家の形(設計図)が形相因であり、建築家あるいはその技術が動力因であり、完成された家が目的因である。統一思想の四位基台とアリストテレスの四原因説は同一ではないが、構造面において両者に対応関係が見られる。それを図96に示す。

 上記のように、統一思想では、創造の二段構造から神による宇宙の創造を説明している。すなわち第一の段階としてロゴス(構想)が形成され、第二の段階として被造世界(万物)が創造されたのである。それに対してアリストテレスは、可能態と現実態として宇宙の生成、発展を説明している。

 アリストテレスによれば、質料は可能態であり、質料はその中に内在している形相を目指して変化していく。つまり質料は形相を目指して運動していくのである。例えば、種子は質料として木の可能態であり、木はその現実態であるが、木は質料として家具の可能態であり、家具はその現実態であるという。そして全く形相を含まない第一質料から始まって、質料は絶えず新たな形相を目指して運動し、ついには、いかなる質料をも含むことのない純粋形相なる神に到達すると言う。アリストテレスにおいて、形相がどこから来るのか明確でなく、その宇宙論は創造論ではなく、自己展開的な生成論となっている。アリストテレスの可能態と現実態による宇宙の生成論を図97に示す。

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 それに対して統一思想から見れば、質料(形状)は新たな形相を目指して運動しているのでなく、ロゴス(構想)の作用によって形と性質を与えられていくものである。神の形状としての質料は前段階としてのエネルギー(前エネルギー)であり、それは無限応形性、つまりあらゆる形を取りうる可能性である。そこにロゴスが段階的に作用することによって、低次な被造物から高次な被造物へと段階的に創造がなされたのである。段階的創造において、ある段階における被造物は、それ以前に創造された、より低次の被造物を材料として、そこに新たなロゴスが作用することによって創造されるのである。統一思想の「創造の二段構造」から見た創造論を具体的に説明すると次のようになる。

 ロゴスの形成において、神はまず人間の構想を立てられた。次に人間の姿を標本として、それを捨象・変形して動物と植物の表象を構想された。動物において、まず人間に近い高級な動物を構想し、次第に単純な動物を構想された。植物においても同様である。次に天体を構想し、さらに鉱物→分子→原子→素粒子という順序で構想された。

 ところが現象世界の創造は構想とは逆の方向から行われたのである。つまりビッグバンと呼ばれるエネルギーの大爆発から素粒子、原子、分子が現れ、それらの原子、分子が結合することによって、鉱物からなる天体が形成された。そして天体の中で一つの特別な惑星である地球が形成され、地球上にラン藻類とアメーバが現れ、次第に高級な植物と動物が創造され、最後に人間が創造されたのである。創造の二段構造の具体的なプロセスは第一章の図14に示した。

 創造の二段構造において、現象世界に現れた第二段階だけを見ると、生物は低級なものから高級なものへと進化したように見える。すなわち、外見上、第二段階の創造のプロセスは進化のプロセスと同じである。しかしながら進化論が主張するような、突然変異と自然選択に基づいた進化ではなくて、ロゴスに従ってなされた段階的創造なのである。

 次に統一思想の創造の二段構造の理解を深めるために、アリストテレスの形相と質料、ダーウィンの進化論そして統一思想の創造論を図示して、比較してみることにする。

 聖書には「家はすべて、だれかによって造られたものであるが、すべてを造られたかたは、神である」(ヘブル人への手紙34)という聖句がある。確かに、台風や、雷のような自然界のランダムな力によって、森の木が吹き飛ばされて家ができるというようなことはありえない(図98を参照)。いかに質素な丸太小屋であっても誰かが建てたものである。

 しかしダーウィニズムは宇宙線、太陽の紫外線、稲妻などの作用によって遺伝子が突然変異を起こすことによって生物は進化すると言う。しかし台風で家ができるようなことはありえないように、宇宙線、紫外線、稲妻などのランダムな作用によって、生物が高度な構造と機能をもつようになるということはありえない。さらに現存する人間もさらなる進化を続けていくと言うが、その未来像は不明である。ダーウィニズムによる進化を図99に示す。

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 アリストテレスは、第一質料から始まり、質料は絶えず新たな形相を注入されることによって、ついには純粋な形相である神に至ると言う。アリストテレスによる生物の発展を図示すると図910のようになる。

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 統一思想では神の愛の心情から創造目的が生まれ、創造目的を中心として初めにロゴスが形成され、次に被造物が創造された。動物界における段階的創造を図示すれば図911 のようになる。

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 「ダーウィニズムを超えて」は、今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。


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