ほぼ5分で読める統一運動 85
環太平洋圏に、神を中心とした新しい思想的運動を

稲森 一郎

 文鮮明(ムン・ソンミョン)師は以下のように語っています。

 「太平洋には黒潮という潮の流れが、4千マイルを中心として周期的に巡っています。太平洋に、このような主流があるのです。天運も同じです。太平洋に黒潮のような主流があるのと同じように、この人間世界にも黒潮のような思想的流れが存在し、全人類がその思想的主流に従って理想世界に進んでいける世界にならなければなりません」(天一国経典『真の父母経』、965ページ)

 文師のこのような視点は何を意味するのでしょうか。
 それは新しい思想体系を意味するものです。
 文師は自らが投げかけた疑問に答えます。

 「のちのち残って、黒潮のような主流になり得るものとは何でしょうか。すべての思想的世界を超越し、新しい宗教や思想を束ねて、大洋の中の黒潮のような役割を果たす運動になるのは何かというのです。それは、神様を中心とした新しい思想的運動、新しい思想的体系、新しい思想を中心とした歴史の出発になるのではないかというのです」(同、965ページ)

 以上のように、太平洋時代を強調される文鮮明・韓鶴子(ハン・ハクチャ)夫妻ですが、太平洋には黒潮という主流の流れがあるあるからだというのです。
 従って、黒潮の主流的な流れと同じように、人間の世界にも主流となる黒潮のような思想的流れが存在する道理となるのです。

 中国は共産主義政権を維持しており、この思想ではすでにソ連や東欧での失敗した事実があり、主流にはなりません。
 米国の民主主義は、ソ連や中国の共産主義よりはましだといえますが、多くの課題を抱えており、新しい思想を中心とした歴史の出発国として立つ思想的条件を満たしていません。

 米国は、キリスト教国家の使命としての「神様を中心とした新しい思想的運動」を展開することができず、世俗的人本主義に陥って、富の獲得を目指す金融グローバリズムの虜(とりこ)となっています。

 文鮮明師夫妻が世に発表した「神主義」「共生共栄共義主義」と一つになることが米国の急務であり、世界を主導する国家に生まれ変わる必須条件です。
 それができれば米国は万全となり、神主義で思想武装した米国が立ち上がる時、そしてその米国を日本が支援するなら、太平洋は輝く平和の海となるはずです。

 ですから、日本の安倍晋三首相(当時)が提示した「自由で開かれたインド太平洋戦略」(Free and Open Indo-Pacific Strategy(略称:FOIP))は、環太平洋時代をまさに実現する優れた戦略であると考えざるを得ません。

 インド洋の重要性は、アジアとアフリカを結ぶ重要な大洋であることから、アジアとアフリカを一つにするという文鮮明師の観点と一致します。

 インド洋は、マレーシアやインドネシアなどを通って太平洋とつながります。
 この安倍構想とことごとく衝突するのが中国の一帯一路構想、とりわけ「海のシルクロード」において中国は、インド洋を掌握する野望を抱いています。

 太平洋に関しては、201711月の米中共同記者発表の場で、中国の習近平国家主席が「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」と発言。習氏が太平洋の東を米国、西を中国が管理し、太平洋を米中で二分しようとする中国側の膨張政策を念頭に置いた発言によって、米国に強い懸念と警戒感を招きました。

 共産主義によって、インド洋や太平洋に幸福と平和がもたらされるとは誰も信じません。インド洋と太平洋を紛争と戦乱の海に変えるのが中国支配の結末になる恐れがあります。
 思想面から見ても、中国は黒潮のような主流にはなれないのです。