2026.01.13 17:00

世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
イラン当局がデモ封じ込めのために通信手段を遮断
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、1月5日から11日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
中韓首脳会談、北京で開催(1月5日)。中国が軍民両用品の輸出規制、対日レアアースも(6日)。トランプ大統領、米露核軍縮条約の失効容認(7日)。イラン当局、対デモ対策でネット接続と電話回線を遮断(8日)。EU(欧州連合)と南米がFTA(自由貿易協定)を締結し、レアアースの中国依存から脱却へ(9日)、などです。
イラン当局は1月8日、インターネット接続と電話回線を遮断しました。通信遮断は現在も継続中です。当局が拡大する市民のデモを封じるために、情報統制を敷いたとみられています。
デモの背景は、物価高騰や通貨暴落です。先月はインフレ率が前年同月比で40%を超え、昨年1年間で通貨価値が対ドルで半分に下落し過去最安値を記録しています。
SNSでは、最高指導者ハメネイ師の「打倒」を求める動画などが拡散していたのです。
市民デモは昨年(2025年)12月28日に首都テヘランのバザール商店主の間で始まり、全土に広がりました。
参加者の中には「ハメネイに死を」などと叫ぶ人もおり、体制批判の側面が一気に強まりました。
イラン国外の人権団体は1月9日現在、治安部隊との衝突で42人が死亡、2200人以上が逮捕されたと発表しています。
イランの最高指導者・ハメネイ師は9日の声明で、デモ参加者をトランプの「代理」だと非難。「公共財産を破壊し米大統領を喜ばせようとする暴徒がいる。『外国の傭兵(ようへい)』として行動する人間を容認しない」と警告したのです。
トランプ大統領は8日、イラン当局がデモ隊の殺害に乗り出すなら「われわれは徹底的に攻撃する」と述べ、軍事行動に踏み切る可能性についても触れました。
このたびのデモを巡っては、イラン革命(1978~79年)で退位に追い込まれた故パーレビ国王の息子で米国に亡命中のレザ・パーレビ元皇太子が、「団結し要求を叫ぼう」とSNSで発信しています。この発信に多くの市民が呼応したとの情報もあります。
さらに9日、パーレビ氏はSNSの投稿で、トランプ大統領に「介入」を呼びかけています。しかしトランプ氏はパーレビ氏に「会う気はない」としていました。
しかしトランプ氏は同日、記者団に対して「イランは大きな困難に陥っている」とした上で、「以前にあったように、彼ら(政府)が人々を殺害し始めれば、われわれは弱点を徹底的に攻撃する」と述べています。
英仏独の首脳は9日、一連の抗議デモに関して「当局の治安部隊による暴力に関する報告について、懸念している」との共同声明を公表。「デモ参加者の殺害を非難する」と記し、イラン政府を批判しました。
事態はさらに悪化しています。米国に拠点を置く人権団体が11日、イランでの反政府デモに関連する死者数が544人に上ると発表しました。依然イラン国内はインターネットが遮断された状態が続いています。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)誌は12日、トランプ大統領が13日、イラン情勢への対応について政権幹部と協議すると報じました。
米国による対応の選択肢には、イランの軍事施設などへのサイバー攻撃や制裁の強化、さらに軍事侵攻も含まれているといいます。
国連は何もできず、親イランのロシアも中国も動きません。結局「力による平和」を掲げる米国の犠牲が道を開いていくのです。
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