ザ★Q&A【社会編】5

 今回は、「社会編」の第5回をお届けします。
 回答は「世界はどこに向かうのか」でおなじみの国際平和研究所所長・渡邊芳雄先生に監修していただいています。

Q. どうして女系天皇に反対するの?

A. 男系天皇を変えることは国の在り方に関わる根本的な問題だからです

 皇室典範という法律では、天皇は男系男子しかなれません。

 男系とは何なのかということについて簡単に説明します。男系天皇というのは、父親をさかのぼると神武天皇にいきつくということです。

 女性が天皇になった場合、そのお子さまは、父親をたどっても神武天皇にたどりつきません。女性天皇のお子さまが天皇になれば、神武天皇以来、約3000年を経て初めて男系ではない天皇が誕生します。かつて(男系の)女性天皇がおられましたが、そのかたがたは男系の天皇をつないでいく役割をお持ちだったのです。

 男系ではない天皇が誕生したらどうなるかというと、神武天皇以来の日本とは違う、別の日本が誕生するということです。そうすると、日本の在り方を根本から考え直さないといけないことになります。

 アメリカをはじめ、世界では憲法などのルールの一番の根底部分には、理論的ではない根拠があります。

 ルールを作るには原点が必要です。そうしないと、なぜ人権が認められるのか、なぜ人を殺してはいけないのか、なぜ国が必要なのかという説明ができません。そして日本では、天皇の即位によって国が誕生しました。

 従って、男系天皇か女系天皇かというのは、日本という国の原点に関わる問題なのです。

 日本は神武天皇から始まって、男系天皇によって受け継がれてきた国です。これを変えることは国の在り方に関わる根本的な問題になるため、男系天皇を変えることに反対するのです。

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 次回は、8月22日の配信を予定しております。