「幸せな結婚」を考える 44

第9章 結婚生活の本当の幸せ

結婚を通して人は成長する

ナビゲーター:長岡 高史

 幸せな人生を考えるとき、「心と体が健康である」というのは絶対条件です。

 どんなに素晴らしい心を持っていても、病弱な体では思うように自己実現できません。また、健康な体を持っていても、心が病んでいる状態では幸せとは言えないでしょう。

 そして重要なことは、人間は誰もが「老いていく」という事実です。「老い」から逃げることはできず、「老い」により私たちの体は確実に衰えます。20代、30代では当たり前のようにできたことが40代、50代になるとできなくなるのです。そして、脳も徐々に衰えていきます。脳の衰えは体よりは緩やかですが、やはり60代、70代、80代となれば記憶力の低下は免れません。

 「体は徐々に衰えていく」という事実は、よくよく考えると恐ろしいことです。誰もが徐々に不幸の要因である「不健康」に向かっているからです。しかし、それでも人生が素晴らしいのは、まさしく愛を投入すれば、「心」が衰えないからでしょう。どんなに年を取っても、子供の成長、孫の成長と、それに合わせて愛を注いでいけば、心は常に成長し、愛で満たされ、幸福を得られます。

 こう考えると、結婚による心の成長は、幸せな人生に不可欠なのです。