「進化」の真実 1

 『グラフ新天地』2003年4月号に掲載された特集記事(監修・統一思想研究院)を、編集部が再編集してお届けします。

進化論の終焉と新創造論の幕開け
人間を中心とする神の設計図

 地球上の生物は神の創造によるものではなく、「生物は長い時間をかけて、下等動物から高等動物に進化し、やがて人間となった」とする進化論の考え方が、今日まで大きな影響を与え続けてきました。

 特に19世紀にイギリスの博物学者チャールズ・ダーウィンが説いた「自然選択説」を基本とする唯物的な進化論は、「環境の変化に適応するために生物が自ら進化する」という考え方を打ち出しました。その後、この考え方が科学的な真理のように広がっていき、今も多くの国々の教科書で紹介されて、人類を神から遠ざける結果となりました。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)先生が提唱する統一思想は、唯一なる神が実在し、すべての生物を含む自然界(万物)と人間は、その神がはっきりとした目的と設計図(構想=ロゴス)を持って創造したものであることを主張しています。

 ここでは、ダーウィンの説く進化論の間違いを指摘しながら、統一思想に基づく「新創造論」の見解を紹介します。

キリンの首は初めから長かった!?

 ダーウィンは、キリンの首は進化によって伸びたことを主張しました。大自然の過酷な生存競争の中で生き残るためには、より自然環境に適したものが選ばれるという「自然選択説」を説いたのです。

 キリンの場合、 より首の長いキリンが高い木の葉を食べるのに有利であることから、 首の長いキリンは生き残り、首の短いキリンは淘汰(とうた)されていくことで、 今日のような首の長いキリンが生き残ってきたというわけです(図1を参照)。

 ダーウィンは、自然選択の作用は有利な変異が少しずつ積み重ねられながら働くので、生物の進化に飛躍はなく、ゆるやかに進化すると主張します。しかし、このことを裏付ける証拠はいまだにありません。

 これに対し「新創造論」(統一思想)では、神が創造の当初から、現在の首の長いキリンの設計図(構想)を持たれて、キリンの前段階の動物の遺伝子に働きかけながら、現在のキリンへと段階的に創造されたと考えます。そしてキリンの首を長くした第一の理由は、それを人間が見て喜ぶためだとみるのです。

進化論に関する文鮮明先生のメッセージ
人間が創造されたのは愛を完成するため

●進化論は外的な観察にすぎない
 アメーバから始めて、次第に高次元のものへと創造していく過程は、外的には進化過程形態とよく似ているのです。

 ある意味ではダーウィンのいう進化論が当てはまっているような、そういう具合に進化し発展しています。しかし進化論というのは、そのままが真実なのではありません。より小さな段階からより価値ある段階へと発展しているのが、進化の本当の意味なのです。

 進化論は現象の外的な観察にすぎず、内的にはそれは何百万段階もの愛の力の発展過程なのです。愛が前進しているのです。

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 次回は、「創造主に取って代わった進化論」をお届けします。