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私の心の中にいる神様 55

 良心との対話で、ワクワク感が止まらない!
 毎週月曜日に配信予定です。
 初出は2020年に配信されたものです。

万物は本当の私を知っている

韓国在住・日本人女性 50

 わが家は畜産業を営んでいます。自然と動物を相手にする仕事なので、思いどおりにいかないことが多いです。

 幾つかのハプニングが重なった日、夫は怒りを抑えられず、そのイライラを私にぶつけてきました。
 私は夫の口から出るきつい言葉に動揺し、だんだん私の心も不平不満でいっぱいになってしまいました。

 自己牧会プログラムを学んでいるのに、こんな心の状態になっている。
 このままだと、ワークをする前の自分に戻ってしまうのではないか──。
 恐れと不安が押し寄せ、早くこの「思考のぐるぐる」から抜け出そうと、ワークに取り組みました。

 「私心をなくす」ワークをしながら、「夫に対して不平不満を感じている私は本当の私ではありません」と唱えてみるのですが、なかなか集中できません。

 その時ふと、良心を通して万物と対話したという証しを思い出して、「そうだ、家と対話してみよう」と思い立ちました。

「ごめんね、またやっちゃった」

「大丈夫よ」

「でも、こんな私を見ていてつらいでしょう?」

「平気。本当のあなたの魂は美しくて光り輝いているのを知っているから」

「一日24時間、そして永遠に光り輝いていられたらどんなに楽でしょうね。少しのことでイラっときて囚(とら)われてしまうのよ」

「大丈夫。あなたは確実に良くなっているよ」

「あなたの望みは何?」

「望み? これからも今のままのあなたを見つめて守ってあげることかな」

「え? もっと夫婦が一つになってほしいとか、愛ある家庭を築いてほしいとかじゃないの?」

「う~ん、でもやっぱり、今のまま、あなたを守ってあげること。あなたは今のままで十分すてきだから」

「ありがとう。心配かけてごめんね」

「あなたがうれしい時も悲しい時も、暑い時も寒い時も、雨嵐の時も、スモッグで外の空気が汚れている時も、あなたを守れることがうれしいのよ」

「でもこの地域も開発で、数年後には立ち退きになるのよ。そうしたらあなたは壊されちゃうのよ」

「大丈夫、その時はその時。あなたに新しい家ができたら、『今までありがとうございました』とあいさつして私の使命は終わるのよ。それまであなたを見つめて守れることが私の喜びなのよ」

 その後、犬を連れて散歩に出ました。山や田んぼがいつもより青々と見え、水路の水の音やカエルの鳴き声も鮮明に聞こえました。

 夫が牛小屋で、牛に藁(わら)をやっているのが見えました。夫は私を養うために休む暇もなく重労働をしているんだと思うと、囚われていた心が解かれていきました。
 万物を通して慰労され、激励された体験でした。

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 次回は、「うつ病だった私が幸せになれた理由をお届けします。


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