https://www.kogensha.jp

文鮮明師自叙伝に学ぶ~心の書写 20

悲惨な世界人類の現状

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第3弾、『文鮮明師自叙伝に学ぶ~心の書写』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『心の書写~文鮮明師自叙伝に学ぶ~』より)

【第六章】全世界の人類がすべて自分の兄弟

悲惨な世界人類の現状

 では、世界人類の現状はどうなっているのでしょうか?
 日本では家に水道があって蛇口をひねれば水が出ます。しかも水はそのまま飲めます。一般的な家庭では、朝昼晩と食事をします。スーパーやコンビニが至る所にあって、必要なものはいつでも買えます。また、どこの家庭にも水洗トイレがあって、大小便も瞬時に処理されます。家から出るゴミは定期的に回収されます。しかし、このような日本の当たり前の生活は、人類全体の当たり前ではありません。当たり前どころか、とても希少な幸福な生活を享受しているのです。そこで人類の一員として、悲惨な世界の現状を知る必要があるのです。

 国連環境計画顧問として、世界各国を視察して知った悲惨な現状を、石弘之さんが岩波新書で詳しく報告しています。それを紹介しましょう。

 英国統治時代、「コレラの都」といわれたインドの大都市、カルカッタで見た悲惨な実情が紹介されています。

 「スラムの粗末な小屋に住めるのはまだ幸運な方で、約一五〇万人は路上で寝起きしている。町の目抜き通りでも、ビルのわずかな隙間にぼろ布で覆いをして一家が生活している。雨期に入って気温が少しでも下がると、たちまち凍死者が出る。多くは路上生活者だ。

 ……私が訪れたときは雨期の真っ最中で、道路は泥の海だった。泥をはねながら、荷車が通る。二メートルもない狭い道の両側を埋め尽くした小屋も、道を歩く人も、うろつき回るニワトリやアヒルもすべて泥だらけ。泥に糞尿(ふんにょう)、生ゴミが攪拌(かくはん)され、すさまじい悪臭でむせそうになる。

 女たちは、買ってきた牛フンをこねてハンバーグのようにして、壁に貼りつけては乾かしている。薪も炭もとっくの昔に姿を消し、牛フンが唯一の燃料である。これだけの人口に、水道の蛇口はわずか十カ所。人口二〇〇〇~三〇〇〇に一カ所の割である。日に三回、バケツを下げて水を汲みに行く主婦や子供は、長時間並ばなければならない。キリスト教団体の運営する医療施設の医師によると、最大の死因は下痢。汚れた水や腐った食べ物による食中毒が多いという。

 ……毎週出るゴミの量は一万五〇〇〇トン。それは、空港近くのゴミ置き場に放置される。風向きによっては、一キロ離れても悪臭が漂ってくる。そのゴミ捨て場にも、何百人かが住み着いてゴミをあさって生きている。出るゴミの四分の一は、ゴミ捨て場まで運ばれずに路上に放り出される。

 下水は市の一部にあるだけで、二〇%の人口が恩恵に浴しているのに過ぎない。しかも、下水は市内を流れるフーグリ、クルティ川にそのまま流れ込む。これに、周辺の一五〇の工場からの未処理の排水が加わる。その河の両岸もびっしりとスラムが建ち並ぶ。川には、あらゆるものが捨てられる。その川では、多くの人が沐浴し、洗濯をしている。モンスーンの豪雨がくると、川は氾濫し、道路はたちまち水浸しになる。ゴミや汚物はおろか、ときには家畜や人間の死体さえも流れていく」(岩波新書『地球環境報告』、石弘之、37~38ページ)

 貧困や飢餓で悲惨な生活を余儀なくされ、生命さえ脅かされているのが子供たちです。

 日本では、当たり前のように幼児が育ち、保育園、幼稚園を経て小学校に行けますが、世界の大半の子供たちは、そうではないと報告されています。

 「カーター米政権下で組織された『世界飢餓に関する大統領委員会』は飢餓人口の八割は子供と女性に集中している、と報告している。ユニセフの『世界子供白書』(一九八七年)は、栄養不足とそれによって引き起こされた病気によって、毎日四万人、年間一四〇〇万人以上の乳幼児が死んでいるという。これは日本の七歳以下の子供が一年間で全滅したようなものだ」(同、174ページ)

 「世界銀行によると、南米、アジア、アフリカの母親の十~五〇%が栄養不足からくる慢性貧血症にかかっている。

 ……妊娠中に健康管理もなく働き続ける母親から生まれる赤ん坊の六人に一人が、標準体重以下で生まれる。母親の乳の質も出も悪く、非衛生的な環境と相まって、下痢による脱水症、肺炎、ハシカ、百日ぜき、破傷風などの病気で倒れていく。一歳未満の出生一〇〇〇人当たりの死亡数である乳児死亡率(一九八五年国連統計)は、世界平均は八一人で先進国では一六人なのに対し、発展途上国では八八人と五倍以上にも跳ね上がる。とくにアフリカでは一一四人、南アジアでは八七人という高率になる。ちなみに、世界で最低水準の日本では五・五人である」(同、175ページ)

 「発展途上国の多くの子供たちは、七、八歳になると、もう自分で稼がなければならない。農村なら、家畜番や水汲み、都市ならタバコ売りや靴みがき、ときには売春や犯罪で稼ぐ子供たちも見かける。フィリピン、インド、メキシコなどの大都市では、一〇歳前後の売春婦を見ることさえ少なくない。こうして、十分な食事もとれないままに働きずくめで成人になる。この過程でヨード不足や甲状線障害にかかる。その数は世界で三億人は下らない。そして、ビタミンA欠乏のために何百人もが、失明や視力障害に悩まされている。マーラー前世界保健機関(WHO)事務局長はこう語る。『栄養不足は幼児期に学習能力を奪い、成人期には生産能力を減退させる。その結果、貧しい栄養不足の両親が栄養不足の子供をつくり、その子供が貧しい栄養不足の親となる』と」(同、176ページ)

 この書では、世界では一日を一ドル(100円)以下で暮らす「絶対的貧困層」が13億人いるとも述べられています。(続く)

---

 次回は、第六章の「私たちの世界の姿、あなたは知っていますか」をお届けします。


◆『心の書写 ~文鮮明師自叙伝に学ぶ~』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ