コラム・週刊Blessed Life 37
本庶佑教授がノーベル賞受賞!

新海 一朗(コラムニスト)

 またまたやってくれました。

 今年のノーベル賞受賞者の中に、本庶佑(ほんじょ・たすく)教授の名前がありました。すごい!

 毎年、ノーベル賞には日本人が入ることが決まっているのですか? そういうことはありませんね。しかし、ここ近年、日本人のノーベル賞受賞が続いていることに驚きを覚えるのは、日本だけではないでしょう。世界の国々も驚いているに違いありません。

 オプジーボ(ニボルマブ)と従来の抗がん剤の違いが決定的に違う点は、「免疫療法」「免疫薬」からのアプローチであったことです。

 がんと聞けば、外科手術か、抗がん剤治療か、放射線治療ということにほぼ決まっていました。その常識を覆す研究に取り組み、ついに、免疫力を高めてがんをやっつけるという、誰も本気で信じていなかった新たながん治療のフィールドを本庶教授は世に示したのです。あっぱれ、あっぱれ!

 本庶教授の研究チームが発見したのは、免疫細胞の表面にあって、免疫細胞に「攻撃ストップ」を命じるブレーキの働きをするというPD-1と呼ばれる分子です。
 がん細胞は免疫細胞からの攻撃にさらされると、PD-L1という分子を出して、免疫細胞からの攻撃をストップさせることが分かりました。そこで、免疫細胞にブレーキがかからないようにする方法を取れば、がん細胞に対する攻撃はもっと続くだろうと考え、がん細胞が免疫のブレーキを踏めないようにしたのです。これが、免疫チェックポイント阻害剤である「ニボルマブ」です。本庶教授の研究チームvsがん細胞は、これで本庶チームの勝ち!本当におめでとうございます。

 本庶教授いわく、「ダイヤモンドをいきなり見つけるのではなく、光っていない原石のうちに見つけるのが研究の醍醐味だ」。

 うーん、渋い言葉だなあ。

 「好奇心(curiosity)」「勇気(courage)」「挑戦(challenge)」「確信(conviction)」「集中(concentration)」「継続(continuation)」で、六つのC。これを心掛ければ、人生は非常に面白くなるそうです。

 皆さんも六つのCを実践し、ノーベル賞に挑戦されてはいかがですか。