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ほぼ5分で読める勝共理論 26
唯物論の正体

編集部編

時間と空気は絶対?
 カール・マルクスが生まれたのは1818年です。日本でいうと江戸時代末期の頃です。
 当時、西欧の科学ではアイザック・ニュートンの考え方が主流になっていました。
 ニュートンは、リンゴが落ちるのを見て重力を発見した、といわれている人です。

 さてニュートンの考え方の基本は、「時間と空間は絶対である」というものです。
 目には見えませんが、縦・横・高さで表される空間は、数学でいうとxyzの座標で表されます。そしてこの空間は変わることはありません。

 また、時間が流れる速さはどこでも同じです。誰にとっても、外国に行っても、1秒の長さはどこでも同じ1秒です。100年後もそうです。

 つまり時間と空間は、絶対的に固定されたものである、ということです。
 ニュートンはこのことを、「絶対空間」「絶対時間」と言いました。
 そしてこの考え方を土台にして、たくさんの理論が作られました。

 科学に詳しいかたであれば、「このニュートンの考えは基本的には合っているが、実は正確ではない」ということを知っているでしょう。

 光の速さに近づくと、時間も空間もゆがんでしまいます。
 実は時間と空間は絶対ではないのです。では何が絶対なのかというと、光の速さが絶対です。
 これを「特殊相対性理論」といいます。

 ちなみに聖書によれば、神は最初に「光あれ」と言いました。「時間あれ」とか、「空間あれ」とは言わなくて、「光あれ」と言ったのです。
 これは科学的にかなり妥当な話ではないでしょうか。

科学的に否定された唯物論
 ニュートンは、物質に対してある考えを持っていました。
 それは物質をどんどん細かくしていくと、最後は究極粒子になる、というものです。

 その後、分子や原子が発見され、ニュートンの考えは正しいことが証明されました。
 皆さんも、元素の周期表を学校で習ったと思います。

 マルクスは、これを唯物論に利用しました。つまり、この世界の存在は、全て周期表の元素のどれかから成り立っている、だからこの世界には神や心なんて存在しないんだ、というわけです。

 確かに元素の周期表には神とか霊魂といった要素はありません。
 では、科学的に唯物論が正しいということになるのでしょうか。

 先ほど説明したとおり、ニュートンの考えは正確ではありません。20世紀にアルベルト・アインシュタインが登場して、そのことが明らかになりました。

 例えば、アインシュタインは、「Emc²」という式を立てました。「E」はエネルギーで、「m」は質量です。
 大ざっぱに言うと、「エネルギーと物質は交換可能である」という式です。

 ここで人間の心も、何らかのエネルギー的存在であると考えます。
 私が「手を動かしたい」と心で思うと、実際に筋肉が動いて手が動きますね。これは心が何らかのエネルギーを持っているということです。

 唯物論では、この世界には物質しか存在しない、心は物質の産物に過ぎない、と言います。
 でもアインシュタインの式によれば、心と物質は対等な立場で存在します。

 つまりマルクスは、唯物論が正しいということを説得するために科学を利用したのですが、その科学によって逆にマルクスの考えが間違っていることが分かってしまったということなのです。
 なんとも皮肉な話ですね。

 次回は、唯物論を書いたマルクスの目的について説明します。

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