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ほぼ5分で読める勝共理論 23
疎外論⑨
疎外論に対する批判と代案(3

編集部編

労働者が権力を握れば全てうまくいく?
 疎外論の二つ目の間違いは、「労働者を神聖化した」ということです。

 共産主義では次のように考えます。

 悪の根源は資本である。だから資本を持たない労働者は正しい。哲学的にも科学的にも正しい存在だ。だから労働者が国を動かせば正しい国になる。人間らしい社会が実現する。でも労働者全員で国を動かすのは不可能だ。だから労働者の代表である共産党が国を動かせばよい。

 そうやって、労働者は必ず正しい行動をすると共産主義は考えたのです。

 でも、本当にそうでしょうか。

 労働者も資本家も同じ人間です。どちらも矛盾した心を持っていますから、無制限に権力を持てば悪いことをするのは同じです。

 ですから共産主義の国では共産党の幹部が莫大な富と権力を手に入れて、結局、資本主義社会以上の格差を生みました。

 そして反対する人々を弾圧しました。
 「共産党に反対するのは人間じゃない」と言って弾圧するのです。これはひどい話です。でも、そういう国が本当にあるということです。

 またマルクスは、彼が生涯を費やして書いた本の中のほとんどの箇所で、「資本主義は間違っている」と訴えています。

 しかし資本主義を倒した後、つまり共産主義の国ができたらどのように運営したらいいかということは全く語っていません。
 要は「労働者が権力を握れば全てうまくいく」、そんな理論なのです。

共産党に代案はあるのか?
 これは日本共産党の綱領でも同じです。
 綱領とは、政党の目的や基本的な考えをまとめた文書のことです。

 共産党の綱領には資本主義の批判がたくさん書いてあります。そして共産主義になれば素晴らしい国になると書いてあります。でも具体的なことは一切書いていません。

 どういう経済政策を取るのか。どうやって国の安全を守るのか。そんなことは一切なくて、ただ労働者が権力を握りさえすればうまくいくとだけ書いてあります。
 共産党が「反対、反対」としか言わないのは、そういう理由です。もともと代案なんて一切ないからです。

 2017年の総選挙の際、あるインターネット番組の党首討論がありました。その時、ある政党の党首が共産党の志位和夫委員長(当時)に対して次のように質問しました。

 「共産党は自衛隊が憲法違反だと言っていますね。だったら共産党が政権を取ったら、自衛隊を廃止するのですか。その場合、どうやって国民を守るんですか」と聞きました。

 志位委員長は、「しばらくの間は自衛隊を認めて、全ての国々と平和的な友好関係をつくり、『もう自衛隊がなくても安心だ』となったら自衛隊を解消する」と言いました。

 そんな無責任な話があるでしょうか。実際は総理大臣が憲法違反だという組織を存在させることは憲法上できません。いつもは「憲法を守れ」と言っているのに、全くつじつまが合いません。

 さらにいつまで自衛隊を認めるのかというと、世界中で戦争の可能性が全くなくなるまでだというのです。
 そんなことがあり得るのでしょうか。

 これが哲学者の話ならいいのですが、国民の生活に責任を持つ政治家が言うことでは絶対にありません。

 簡単に言えば、これが共産主義です。
 現実を考えないで「反対、反対」とだけ言っています。この発想がどこから来るかというと、「労働者が権力を握れば全てうまくいく」という、非現実的な理論から来ているのです。
 これが二つ目の批判です。

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