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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

モスクワ郊外での凄惨な「イスラム国」テロ事件

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、318日から24日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 香港、新たな治安条例案が可決(319日)。豪中外相、関係改善を確認(20日)。習指導部、中朝関係強化へ~北京で高官会談、国交75年(21日)。ロシア・モスクワ郊外で大規模テロ事件発生(22日)。北朝鮮、「統一民主主義戦線」解体を決定(24日)、などです。

 3月22日夜、ロシア・モスクワ郊外のクラスノゴルスクにあるコンサートホールで凄惨(せいさん)なテロ事件が起きました。

▲モスクワ

 ロックコンサートの公演前に迷彩服を着た武装集団がステージや客席から侵入して無差別に銃撃。約20分に及び、死者は137人、145人以上が負傷したのです。
 ロシア当局は現在、犯人11人を拘束しています。

 直後、「イスラム国」が犯行声明をSNSで発信したことをロイター通信が報じました。
 「イスラム国」はこれまで、中東シリアの軍事介入を巡ってロシアを敵視し続けています。

 近年では、2015年にロシアの旅客機がエジプト上空で爆発、墜落した事件があります。乗客・乗員計224人が死亡しました。「イスラム国」が犯行声明を出しています。

 ロシア政府の動きとして気になることがあります。
 プーチン大統領は、ウクライナと関連付けて演説し、「ウクライナに向けて逃亡しようとしていた」「ウクライナとの国境を超えるための『窓口』が用意されていた」と述べました。
 今後、ウクライナに対する軍事行動に反映することが懸念されます。

 一方、ウクライナ政府のミハイロ・ポドリャク大統領府顧問は同日、SNSで同国の関与を否定しました。
 そして米政府のジョン・カービー大統領補佐官は記者会見で「ウクライナやウクライナ人の関与を示すものはない」と強調しています。

 実は、米国による「警告」があったのです。在ロシア米国大使館が37日、モスクワで「コンサートを含む大規模な集会」を標的にしたテロを起こす計画があることを公表しました。
 大使館のウェブサイトに掲示し、さらにロシア政府にも直接伝えたといいます。

 ところがロシア政府は、米国からの警告に対して「異常」ともいえる反応を示したのです。
 319日、プーチン氏は演説で、米大使館の「警戒警報」について、「社会を威嚇し、不安定化させる」ことを目的とした米欧諸国による「明白な脅迫だ」と一蹴したのです。とんでもない間違いを犯したのです。

 今後の展開として、さまざまな見解・予測がなされています。
 5月に通算5期目の大統領就任式を控えています。プーチン氏はこのテロを契機に、国内の統制をさらに強めることにつなげるだろうというものです。

 「考え過ぎだ」と言われるかもしれませんが、プーチン政権が米国からの警告をあえて見逃し、起こったテロ被害を、国内統制を強めるために利用する可能性を否定できないのです。

 ウクライナのポドリャク氏は、ロシアがウクライナへの攻撃強化につなげるのではないかと懸念しています。そして、ウクライナがロシア国内を狙って行う軍事作戦の選択肢が狭まることが懸念されています。

 それでもなお、ロシアは今後、ウクライナと「二正面作戦」を強いられる可能性もあり、今後の展開を注意深く見ていきたいと思います。



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