「幸せな結婚」を考える 32

第7章 夫婦で正しく愛を育もう

「違い」を理解し、楽しもう(2)

ナビゲーター:長岡 高史

 結婚した男女がぶつかる大きな壁の一つが、「性別」の壁でしょう。いわゆる「男女の違い」というものです。
 男性と女性は、姿形はだいたい一緒ですが、「全く違う生き物だ」と思うくらいがちょうどいいかもしれません。
 それはまるで、ゴリラとオランウータンみたいなものです。

 男女はこの「違い」故に引かれ、「違い」故に衝突します。この違いを正しく理解することもまた、愛を育むことにおいて非常に重要なことです。

 男性と女性はそもそも脳の作りが違います。脳には右脳と左脳があり、その二つをつないでいる「脳梁(のうりょう)」という部分があるのですが、女性は男性よりも脳梁が20%太いのです。これによって、女性は男性よりも右脳と左脳の連携が上手だといわれています。これは複数の作業を同時にするときに有利に働くといわれていて、つまり、男性よりも女性の方が「ながら作業」が得意なのです。

 「ながら作業ができる、できないがそんなに重要か?」と思うかもしれませんが、実はこれは非常に重要な問題になります。

 ながら作業ができる女性は、テレビを見ながら洗濯物をたたみ、さらに夫と会話もできるのです。その感覚で、テレビを見ている男性に話しかけても、男性の方は返事がなかったり、受け答えが曖昧(あいまい)だったりします。

 男性はテレビを見ている時は、「見る」という行為に集中しているため、話を「聞く」というもう一つの作業ができないのです。

 女性は話しかけても返事をしない男性にイライラします。男性は集中してテレビを見ているのに横やりを入れられてイライラします。

 こういう細かな積み重ねが、いずれ大きなけんかに発展することもあるのです。