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男女の違いと夫婦の関係 17

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「男女の違いと夫婦の関係」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 あなたは知っていますか? 男性と女性の違い。同シリーズでは、男女の考え方の根本的違いを知り、夫婦がお互いを理解しあって、本当の「幸せ」をつかむためのキーポイントをお伝えします!

松本 雄司・著

(光言社・刊『男女の違いと夫婦の関係-ほめられたい夫 愛されたい妻-』〈2019年3月30日第4版発行〉より)

第一章 変わり行く日本人の家庭像

5 男女の心のすれ違い

 あるとき、23回結婚したという人がテレビに出ていました。そんな人がいるのかと私も耳を疑いました。それだけ結婚したということは、別れた数もそれだけあるということです。
 そんなに結婚しては別れ、結婚しては別れしたのであれば、随分その人はいいかげんな気持ちで結婚しているのではないかと思うのですが、インタビューを聞いてみると至って真面目なのです。その時その時は本気で結婚するのですが、なぜか続かない。「なぜ、こんなにうまくいかないのでしょう?」と言うのです。
 その人の告白、嘆き、悩み、これはもっと広い意味で我々すべての夫婦に当てはまるのかもしれません。

 やはり、結婚生活がうまくいくにはそれなりの法則があり秘訣がある、また結婚生活が破綻するにも共通の原因があり法則がある、というのが20年間研究してきた私の実感であり結論です。

 夫婦関係が険悪になる最も大きな原因は以下の二つです。

1. 結婚後、「相手の欠点や嫌な面」が見えてきたとき、相手を変わらせようとする。そこから、夫婦関係が険悪になっていく。

2.「男性と女性の違いを理解できないか、それを受け入れようとしない」とき、夫婦の間に誤解と不満が生じ、昂(こう)じて破綻に至る。

 第一の問題については、既にシリーズ第一作『二人で学ぶ うまくいく夫婦仲の法則』で詳しく扱いましたので、そちらをぜひご一読下さい。この巻では、第二の問題について詳しく扱うことにします。

 さて、根本にあるのは、「男女の心のすれ違い」という問題です。ちょっとしたことから始まるのです。あるとき、テレビで女性弁護士が講演をやっていました。
 何千人という離婚相談に対応してきたそうですが、その人が言うには、法的離婚に至るまでのいきさつは、100人いれば100人の事情は違う。ちょっとしたことから行き違いが生じ、ずっと悪循環を繰り返して、もう顔も見たくないというまでになってしまう。
 しかしほとんどに共通していることが一つある。最初に起こってくる現象は、「夫婦の会話がなくなる」という状態だというのです。会話の断絶から始まって悪循環を重ねていって、最後は離婚に至るというのです。会話がなくなるというのは怖いことなんだなとあらためて思いました。

 日常生活の中で、お互いに気に入らないことや、カチンとくることがしばしばあります。そうするとものを言わなくなります。
 特に男性には多いでしょう。女性は気に入らないことを全部言葉にできるのです。ああいうふうに気に入らない、こういうふうに気に入らない、と全部話せる人が多い。
 これは女性の特技ですが、男性でそういう能力を持つ人は少数です。ムッときたら、もう口を利かない。しかしその場合、ご主人が一週間口を利かなくても、奥さんがいつものように話しかけたり、おしゃべりをしている分にはまだいいのです。ところが奥さんも愛想をつかして、「そっちがそうならこっちも」と両方がしゃべらなくなってからは非常に難しくなります。完全に会話の糸口がなくなりますから、お互いに相手に対して不満が渦巻き、不信感や恨みがどんどん増幅して悪い方に循環していくことのほうが多いのです。
 従って、両方とも口を利かないということは極力避けたほうがいいようです。ちょっとした抵抗のつもりがだんだん大きくなって、悲劇的な結果になるということが少なくありません。

 すれ違いでもいろいろなすれ違いがあります。本書のメーンテーマは「男女の違いと夫婦の関係」です。よく研究してみると、男と女ではこうも違うものかということに気がつくのです。そして次のショックは、いかにお互いにそれを分かっていないかということです。

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 次回は、「知っているつもり」をお届けします。

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◆松本雄司氏の著作はコチラから


◆同シリーズの前作「うまくいく夫婦仲の法則」はコチラから