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真の父母様の孝情を学ぶ 22
ただ私だけが天の花嫁であることを③

 『ムーンワールド』で連載中のコーナー、「真の父母様の孝情を学ぶ」を隔週日曜日(予定)でお届けします。
 韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁(真のお母様)の自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』からの抜粋をイラストとともにつづるコーナーです。

 今回は、「ただ私だけが天の花嫁であることを」(111〜112ページ)からの抜粋です。

 バスに乗って漢江(ハンガン)を渡りながら、たくさんのことを考えました。川を渡るというのは、今までの世界とは別の世界に入ることではないか。あのように滔々(とうとう)と流れる川の、穏やかな水面とは裏腹に、その中はどれほど多くの事情を抱え、渦巻いているのだろうか。そのような水面下の様子は、私たちを訪ねてこられる神様の心情にも通ずるのではないか……。

 気がつくとバスを降りて、丘の上にある母の家に向かっていました。坂道を上ると、漢江から吹いてくる冷たい風が吹きつけてきましたが、季節外れの暖かい日差しが、私の足取りを軽やかにしてくれました。

 母は私を見ると、心配そうな表情で口を開きました。

 「教会から知らせがあったわ。すぐに来るようにって」

 私はその知らせが、天によって準備されたものであることが分かりました。小学校を卒業して間もなく、初めて文(ムン)総裁にお会いした時の場面が、パノラマのように広がりました。

 その数日前に、私は夢を見ていました。ひときわ若々しく、穏やかな表情をした文総裁が夢に出てこられたのです。天の啓示も、はっきりと聞こえました。

 「その日が近づいた。準備をしなさい」

 それは、天の厳然たる訓令でした。私は完全に無我の境地で、祈祷を捧げました。

 「今まで私は、神様のみ意のとおりに生きてまいりました。今や、神様のみ旨が何であろうと、その摂理がどのようなものであろうと、たとえ何があっても、私はあなたの願われる使命を果たします」

 私は天の無念なる事情を知っていたため、自分に与えられた使命を感謝して受け入れたのです。

 「小羊の婚宴」が行われるという予感がするとともに、再び天の声が聞こえてきました。幼い頃、道を行く道人が私を見て証(あか)ししたように、「宇宙の母、時が満ちた」という声が、まるで銅鑼(どら)の音のように虚空に鳴り響くのが聞こえました。

 「私はアルパでありオメガである。創世以前から、宇宙の母を待っていた」

 私はその言葉を聞いて、これから起こる未来の出来事を悟り、穏やかな心情で時を待ちました。エデンの園で、アダムとエバは神様と直接会話をしていました。つまり、神様のみ言(ことば)を自分の耳で聞いたということです。私も子供の頃から、神様といつでも会話を交わすことができました。困難にぶつかったり、決断を迫られたりするたびに、神様は私を導いてくださったのです。

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 次回は、「ただ私だけが天の花嫁であることを④」をお届けします。


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