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男女の違いと夫婦の関係 5

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「男女の違いと夫婦の関係」を毎週木曜日配信(予定)でお届けします。
 あなたは知っていますか? 男性と女性の違い。同シリーズでは、男女の考え方の根本的違いを知り、夫婦がお互いを理解しあって、本当の「幸せ」をつかむためのキーポイントをお伝えします!

松本 雄司・著

(光言社・刊『男女の違いと夫婦の関係-ほめられたい夫 愛されたい妻-』〈2019年3月30日第4版発行〉より)

第一章 変わり行く日本人の家庭像

3)深刻な少子化と超高齢化社会

少子化の実情
 さらに今大きな問題になっているのが「少子化」という問題です。つまり、結婚して何人の子供を生むかということですが、次のデータは合計特殊出生率(1人の女性が一生涯に生む人数)の統計です。(厚生省大臣官房統計情報部「人口動態統計」より)

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 1949年(昭和24年)は4.32人でした。ところが50年後、1999年には1.34人にまで低下しました(2000年は「ミレニアムベビーを」ということで出産ブームになったがそれでも1.35人)。
 専門家によれば、日本の場合、1人の男性と1人の女性が結婚して、最低2.07人以上生まないと現在の人口を維持できないそうです。ところがそれが1.34人しか生まないということは、日本の若年人口は急速度に減少していくということです。

 今、小学校は1クラス何人くらいですか? 私の知っている大きい小学校でも1年生は1クラス33名です。
 私たちが子供の頃は1クラス45名とか50名でした。小学校、中学校、高校までいつも学年が上がるごとに机を増やさないといけなかったものです。またクラスの数も多かったのです。私の高校時代は1学年が11組までありました。それからみたら今は本当に少ないです。
 我々は団塊の世代と言われた時代ですから特別で、比較することには無理があるかもしれませんが、それにしても小・中学校の廃校、高等学校の統合が進み、大学が学生減少による収入減で経営困難になって、職員に限らず教授や講師のリストラも進んでいるというのが実態です。

 少子化がもたらすもっと深刻な問題があります。これは家庭内の問題だけではないのです。実は日本という国にとって非常に深刻な問題です。戦争や災害がなくても、あるいは経済的な破綻がなくても、少子化がこのまま続けば、この日本民族というものが自動的にこの地上から消滅していくことになります。

 経済人口学の専門家である大淵寛中央大学教授によれば、日本の合計特殊出生率は1974年頃からずっと減少を続けてきましたが、特にここ数年間に予想以上の速さで出生率の低下が進行しており、今のままの低出生率が続けば、1000年後には日本人がこの地上から消滅しかねない、ということです。ちなみに今、日本の人口は約12700万人です(編注:2023年111日時点での人口推計の概算値は12431万人/総務省統計局)。

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 表2は、今のままの低出生率が続いた場合の試算の一例です。低出生率が今のまま続けば100年後、2100年には統計上、日本の人口は半分以下の4900万人になるというのです。さらに2500年には3000万人、紀元3000年には500人、そして3500年には1人になります。従って日本民族消滅ということになります。
 では、早く出生率を上げればいいじゃないかと言われるかもしれませんが、実際には、いったん減少の流れが続くと、その傾向はなかなか変わらないのが世界の実情だそうです。
 大淵教授によれば、人口減少が止まり人口が安定化する合計出生率を置換(おきかえ)水準と言い、その場合に必要な合計特殊出生率が2.072.08人だそうです。
 問題は、いつの時点で出生率がそこまで回復できるかということになりますが、国立社会保障・人口問題研究所では、2050年時から合計特殊出生率が置換水準の2.08に回復できた場合の推定人口を表3のように推計しています。

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 いずれにせよ大きな問題であることには変わりありません。

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 次回は、「超高齢化社会の国民負担」をお届けします。

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