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愛と人生の道しるべ 13
結婚するまでは肉体関係を結ばない

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第1弾、『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。

酒井 正樹・著

(光言社・刊『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』より)

第3章 結婚の難しさ

結婚するまでは肉体関係を結ばない

 最近の若い男女は、好きになったらすぐに肉体関係を結んでしまいます。しかし、その結果失っているものが多いのです。若い男女は、「愛を確かめたい」と思って肉体関係を結びます。しかし、愛情が未成熟の状態では、男性は性欲に支配されていることが多く、女性のほうは、「彼から嫌われたくない」、「肉体関係を結んだら愛情がもっと深まるのでは」と思っているのです。それはどちらも本当の意味で、「愛している」というわけではありません。男女の肉体関係では最初から「快感」や「喜び」を得られるものではありません。特に女性にとっては戸惑いと恥ずかしさと痛みが大きく、しばらくは苦行となることもあります。

 肉体関係を結んだから愛情が深くなるとは限りません。逆に、嫌いになって別れてしまうことすらあります。この時に妊娠すると、女性にとっては悲劇となります。未婚の母となり、生活も大変になってしまいます。

 男性の性欲は、十代後半から二十代前半が一番強く、いつも女性と肉体関係を結びたいと思っている人もいるのです。こうした男性を対象とした週刊誌やグラビア雑誌、レンタルビデオや接客業が、昔から大きな産業となっています。

 肉体関係を結んだから大人になるのではありません。まだ人間をあまり知らず、深い愛情を知らない段階で性的誘惑に負けて肉体関係を結ぶと、人間としての誇りを失ってしまいます。「みんながしているから」と、安易に肉体関係を結ぶと、本当の幸せをつかむことはできません。

 人を人格として愛せるようになり、「この人こそ私の生涯の伴侶」と心から思える相手と、正式に結婚してから肉体関係を結ぶほうが、はるかに大きな幸せと愛情に満ちた人生を送ることができるようになります。

 性欲に振り回されていた男性も、心から愛する女性に出会うと、二人の間に芽生え育ってくる愛情によって、この性欲を制御できるようになります。愛する妻にだけ性欲を向け、二人の性生活を楽しむ方向に向ければいいのですから。

 女性は、愛されていると心から思えなければ、肉体関係に進んでいくことはできません。生涯愛し合える相手だと思えるからこそ信頼し、誰にも見せたことのない肉体を委ねることができるわけです。相手のことがまだよく分からず、信頼や愛情という段階に入っていない時に、男性から無理やり迫られると快感どころか嫌悪感を感じるようになってしまいます。

 実は、こうした女性がかなり多いのです。そして夫婦になってからも夫婦の性生活を心から喜べず、仕方なく夜のお付き合いをしている女性が多いのは不幸なことです。これは、男性が女性の心に無関心のために起きている現象であり、あえて言えば、「愛していない」ということになります。

 男性は、性関係を結んで射精すれば快感を得られるので、女性も同じように感じていると思い込んでいます。男性の性欲を刺激する週刊誌やグラビア雑誌にはそのように書かれていますから。しかし、女性は全く違うのです。

 本当に喜びを感じられるようになるのには数年かかるのではないでしょうか。若い時よりも三十代、四十代になってから深い喜びを感じることもあるのです。(続く)

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 次回は、「愛と性が分離する男性、一体の女性」をお届けします。


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