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真の父母様の孝情を学ぶ 17
神様がもうすぐ私を訪ねてくださるだろう➁

 『ムーンワールド』で連載中のコーナー、「真の父母様の孝情を学ぶ」を隔週日曜日(予定)でお届けします。
 韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁(真のお母様)の自叙伝『人類の涙をぬぐう平和の母』からの抜粋をイラストとともにつづるコーナーです。

 今回は、「神様がもうすぐ私を訪ねてくださるだろう」(100〜102ページ)からの抜粋です。

 思春期に入ってからも、人生について悩んだり、迷ったりすることはありませんでした。祖母と母が、いつも天に侍(はべ)って暮らす信仰を育んでくれたおかげでした。特に母は、信仰生活について厳しく教えてくれました。当時、つらいと思ったことがなかったわけではありませんが、数年経(た)って、それがいつか天の独り娘として、天の独り子に出会うための準備だったことが分かりました。

 この時期の私は多くの本を読みました。『聖者聖女伝』を好んで読み、文学作品にもたくさん触れました。特に好きだったのが、パール・バックの『大地』です。

 幼い頃から、私は神様が自分の父であることを知っていたので、読んだ作品はみな、自然に神様とつなげて考えることができました。特にこの時期、聖書をよく読みました。神様の創造や人間の堕落、そして中心人物を通して進められてきた神様の救いの歴史を読みながら、涙と共に多くの夜を明かしました。

 神様は御自分の子女として愛するために人間を創造されました。しかし、かえってその人間を通して、苦しみと悲しみを味わわれたのです。それにもかかわらず、再び御自分の子女として人間を抱こうとされる神様の恨多き歴史を読みながら、胸が痛み、眠れなかったことが数知れずありました。

 その中で私は、文(ムン)総裁が私に語られた「犠牲」について、自然により深く考えるようになりました。

 「私は神様のために何を犠牲にするのか」

 この問いかけが、私の人生を根底から変えていきました。

 私が高校に進学する頃は、まだ戦争の爪痕があちこちに残っており、通りには負傷者があふれていました。病気にかかっても、すぐに治療を受けられる人はあまりいませんでした。私は彼らの傷と苦痛を癒やし、彼らを明るい世界に導くために、中学を卒業した1959年の春、聖ヨセフ看護学校に入学しました。

 自分のためではなく、他のために生きる人生というのは、犠牲と奉仕を前提にしない限り、考えることすらできません。私は幼い頃から徹底して信仰を育んできましたが、その中で、胸に秘めた夢がありました。それは、人類を救うために歴史を導いてこられた神様の恨(ハン)を解いてさしあげることでした。

 人の上に君臨して安穏とする場では、決して神様に出会うことができません。より低い立場に立って、神様のみ意(こころ)と恨に思いをはせるとき、その神様が訪ねてきてくださることを、私は既に分かっていました。

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 次回は、「天と地の鳳凰が出会う①」をお届けします。


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