シリーズ・「宗教」を読み解く 28
超宗教指導者会議(3

ナビゲーター:石丸 志信

 「超宗教指導者会議」(IRLC)の参加者は、米国聖職者指導者会議(ACLA)に加盟する米国人牧師たちが半数を占めていた。そのため、開会時点からプロテスタント・キリスト教的な雰囲気が強く、にぎやかだった。スピーチの途中にも、何度も「アーメン」「ハレルヤ」と合いの手が入る。さながら賛美礼拝の様相だった。

 ところが、三日目の朝食前の祈りと黙想の時間は、会場の空気がガラッと一変した。

▲朝食前の「祈りと冥想」の時間(20171112日)

 この日の祈りの担当は日本の僧侶たちだった。一人は天台宗系、二人は真言宗系。平安仏教の二大宗派だ。
 この三人が一緒に「般若心経」を唱えた。同じ経文でも宗派が違えば唱え方も違う。それを合わせるのも大変だったというが、祈りの世界に入っていくと、三人の呼吸がピタッと合った。

 穏やかな祈りの響きは参加者の心に染み入る。意味は分からなくても、その声に神秘なるものを感じ取って、神妙なる祈りの世界に引き込まれていったのだ。

 西洋的な賛美と比較して、東洋的な祈りはより内面的であると感じさせられた。