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ダーウィニズムを超えて 20

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第二章 進化論を超えて─新たな展望

(一)生命の波動

(4)生命とは
 生命の誕生について、無機物質からまずRNAが、次いでDNAが生まれ、それから核のない原核細胞が生まれ、それが核を有する真核細胞になり、やがて多細胞の生物が生まれたと考えられている。しかし無機物質からRNADNAが生まれるのは大きな謎になっている。

 それでは生命とは何であろうか。ワシントン大学生物学教授のピーター・ウォード(Peter Ward)と、カリフォルニア工科大学の地球物理学記念教授のジョゼフ・カーシュヴィンク(Joe Kirschvink)は、「生命とは、自律性を持ち、代謝し、複製するものである(*12)」と言う。ロバート・オークローズ、ジョージ・スタンチューは、「生命とは、自己運動する能力(*13)」、「生物自身の内部に潜む能力(*14)」と言い、発生生物学者のポール・ワイス(Paul Weiss)は、「生命システムでも行動していないものは死んでいる。生命とは過程であって物質ではないのだ(*15)」と述べている。

 そのような生命観は物質の次元を超えるものである。したがって生命は、物質以外の次元からの作用として認めなくてはならない。それは自然界に働いている、生命の波動によるものなのである。

 元イエール大学の解剖学教授であったハロルド・サクストン・バー(Harold Saxton Burr)は、ライフ・フィールドが生物を導いていると言う(*16)。ライフ・フィールドとは、全ての生物がその輪郭に沿って成長する不可視の電気力場であり、菌類、植物、動物を問わず、生命を持つものはみな、この永遠の青写真の設計のもとに生まれ、形づくられてゆく。そして常に、宇宙のかなたから発信されるさまざまなメッセージを受信し、その影響の波動はたちまちのうちに全地球を覆っているという。

 イギリスの生物学者のルパート・シェルドレイク(Rupert Sheldrake)は形態形成場、モルフォジェネティク・フィールド(Morphogenetic Field)説を提示している。すなわち生物の形態を形成する場が生物の背後に作用しているという主張である。

 生命には自律性があり、自己運動力、自己組織力があるが、それは細胞のDNAに組み込まれた設計図に基づいた形成力でもあるのである。統一思想においては、生命は宇宙意識が生物体に宿ったものであると見る。ハロルド・サクストン・バーやルパート・シェルドレイクの見解は統一思想と軌を一にするものであると言える。なお、生物界全体に作用している生命の波動には、神の言(ことば)であるロゴスが宿っており、すべての生物の設計図が含まれているが、個々の生物に宿った生命はその個体の設計図のみを感知していて、その設計図に従って作用しているのである。


*12 ピーター・ウォード、ジョゼフ・カーシュヴィンク、梶山あゆみ訳『生物はなぜ誕生したのか』河出書房新社、2016年、80頁。
*13 ロバート・オークローズ、ジョージ・スタンチュー、渡辺政隆訳『新・進化論:自然淘汰では説明できない』平凡社、1992年、56頁。
*14 同上、309頁。
*15 同上、5152頁。
*16 Harold Saxton Bar, Science of Life Field.(UK : The C. W. Daniel company limited, 1972

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 次回は、「神の言(ロゴス)による創造」をお届けします。


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