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シリーズ中級講座 18
伝道学<4>

 世界家庭誌で2021年11月号から2022年12月号までの期間に掲載された「中級講座シリーズ」の内容を、「シリーズ中級講座」のタイトルで毎日朝5時にお届けすることになりました。信仰生活の向上、毎日のみ言学習にお役立てください。

伝道教育局副局長
入山 聖基

 前回までの「伝道学」では、主に神の復帰摂理の観点から伝道について学びました。「伝道学」<4><5>では、真の父母様のみ言と生涯路程を基に伝道の要諦を学んでみましょう。

 伝道というと、私自身にできるかどうか、実績が出るかどうかなどを心配しがちではないでしょうか。そこでまずは、伝道とは何かをよく学び、実践に向けて意欲を高めていくこと、つまり、自分自身を伝道する「自己伝道」から始めていきましょう。

 また、伝道チームでの学習会などで読み合わせをして、記事の感想を共有して褒め合う「43(よみ)とも形式」で恩恵交換をすることも、意欲向上につながると思います。

(6)伝道の姿勢
 真のお父様が、1976105日にニューヨーク・ベルベディアで語られたみ言「伝道と世界的使命」(伝道ハンドブック第1集『み言に学ぶ伝道の姿勢』1532ページ。以下、このみ言の引用部分は青色の文字)には、伝道を勝利するために意識すべきことや、どんな姿勢で臨むべきかが詳しく指南されています。その内容について、10のポイントで整理してみました。真の父母様から直接、伝道の指導を受ける気持ちで学んでみましょう。

①霊界協助
 「伝道には何が一番重要かというと、霊的力が問題です。すなわち霊界がいかに協助するか、ということが重要になってきます。それが伝道実績に直接関係するのです」15ページ)

 「伝道の効果は、霊的40パーセント、原理30パーセント、実践30パーセントとして表れる」(『御旨の道』398ページ)とあるように、伝道には霊的力が必要です。それは、霊界から協助を受けながら歩むということです。

 伝道には、もちろん各自の努力が求められます。しかし、霊的に死んだ人の生命を生かすという奇跡の業は、人間の力を超えたところで起こるため、天の父母様(神様)と真の父母様の勝利圏、霊界の協助を抜きにしては成されません。そして、霊界協助を受けられるかどうかは、私たちの信仰姿勢や実体の基台の在り方が大きく影響します。

 「伝道する時は班長と班員が一つになることです。どのくらい一つになるかというと、神様とイエス様が一つになった以上になれば、霊界は百パーセント協助します」19ページ)

 善霊は、天の父母様、真の父母様を中心に兄弟姉妹が一つになっているところに協助します。反対に、悪霊は、分裂を起こさせるように働くのです。ですから、与えられた基台のメンバーと共に、サタンが侵入する隙のない一体化を目指す必要があります。

 すると、「もし霊界が協助すれば不思議なことがたくさん起こります。街頭でも、何もしなくても通りすがりの人が、『パンフレット一枚下さい』というような現象が起こるのです」(同)とあるように、善霊の協助により、“いいこと”が起こるのです。

②不平不満を克服
 「もし、組織の中に不平を言う人がいたら、それはサタンの要素だから、これは摂理的破壊基盤となって、すべてが横倒れ、共倒れになってしまいます」15ページ)

 不平不満は、摂理の進展を妨げます。不平不満とは、人と自分を比べて、“平等に扱われていない”と感じるところから生じます。また、置かれた立場に満足できなかったり、自らの頑張りを評価されなかったりするときにも湧き起こります。

 「環境に引っ張られていくのではなく、私が環境を引っ張っていかなければならない」(『御旨の道』102ページ)とあるように、たとえ不利に見える環境に置かれ、努力が評価されないことがあったとしても、“全ては、天が私を成長させるために与えてくださった環境や人間関係である”と捉え、信仰的に消化しましょう。どんな状況でも変わらずに天を愛した精誠が内的実績となり、それが外的実績の土台となるのです。

③原理講義
 「来教者には、早く講義をするように。汗を流しながら、涙ながらに講義するのが一番です。……足りないながら一生懸命やりますから、どうか聞いてください。そうして情的に相手の心情を開くように訴えるのです」17ページ)

 「原理」のみ言が霊的生命の復活につながります(前号参照)。ですから、伝道には原理講義をする環境が欠かせません。“上手に講義ができるようになったら、伝道対象者に講義をする”というのではなく、たとえ力量が足りなくても、真の父母様が下さった「原理」のみ言に生命を生かす力があると信じ、心を込めて講義をすればいいのです。不足な点は霊界が補って、神霊の役事を起こし、霊的感化を与えてくれます。

 そのように人が伝道され、生かされることを実際に体験すれば、“「原理」には人の生命を生かす力がある”と、確信を持って講義できるようになるため、さらに大きな恩恵を対象者に与えることができるようになるのです。

④心を開く
 「いかに感動を起こさせるか」(同)「相手の心情を開くように」(同)「館に入る時より出る時には、伝道した食口たちに喜ばれるよう」(同)

 どんなにいい講義をしたとしても、相手の心が閉じていれば、何も聞こえないのと同じです。ですから、講義の前に、相手の心を開かせる努力が必要です。“心が開いた分だけ耳が開く”と考えてください。心の開き具合に応じてみ言が入るのです。

 相手から信頼してもらえなければ、心を開かせることはできません。人は、自分のことをよく理解してくれる人を信頼します。相手を理解するために、まず話をよく聴きましょう。そして、心の声に耳を傾け、“相手を感じる”のです。すると、短時間でも深い信頼関係を結ぶことができます。初めは「九割聞いて、一割話す」と心得ましょう。

⑤涙の祈り
 「祈らなければなりません。祈りの中で涙を流して、生命の救いをいかになすか」(同)

 伝道には祈りが必要です。蕩減(とうげん)条件の伴わない復帰はありません。伝道の結果も、蕩減条件を立てることに真摯に取り組んだ精誠の結実として表れます。

 伝道実績は、血と汗と涙の上に現れてくるので、「涙の祈り」は、特別に精誠が込められた蕩減条件になると思います。そして、祈りは具体的であればあるほど、天に聞かれやすくなります。対象者の名前を挙げ、その人がどうなってほしいのか、そこに向かうに当たり、妨げになっている内外の要因が何かを具体的に祈るのです。

⑥一生懸命
 「一生懸命といいますね。一瞬一瞬に命を懸けることですが、命を考えて、命をはかること、一つの命を懸命に掲げた命令、一生をささげて懸けた命令、責任、という意味でしょう。そういう立派な言葉を知っているのだから、それを成し得て外的に一生懸命が通じるようにしてください」18ページ)

 伝道における「一生懸命」とは、一つの生命を救うために全力を尽くすということです。一人の復帰なくして万民の復帰はありません。自分の思いどおりになる人ばかりを探して、せっかく与えられた対象者をえり好みしているようでは、蕩減条件は積まれません。まず、目の前の対象者に全力を尽くしましょう。伝道は、人の霊的生命を救う業であるがゆえに、命懸けで臨む価値があるのです。

⑦動機
 「原因が素晴らしくて結果が素晴らしくなるのです。すべては動機が重要です。……動機がなければ何もできません。私がみ旨を歩むのも、心情的に揺るがない原動力をもっているのです」(同)

 “どうやって伝道活動をしようか”と考える前に、“何のために伝道活動をするのか”という、目的、動機を明確にしましょう。それが、私の「伝道の原点」になります。試練を受けて足が止まりそうになっても、原点に立ち帰ることができる人は強いです。自分が“救われた”という確信を持つに至った心情的出会いも、その原点の土台になるでしょう。救われた実感の強い人ほど、自信を持って人を導くことができます。

⑧喜びの生活
 「きのうはいくら気持ちの悪いことがあっても、惨めなことがあっても、次の朝起きる時は、必ず笑いながら起きるのです。……御飯を食べる時も、笑いながら食べるのです。そうすると神様は喜びの主体だから、神様に属する万物と一つになって喜ぶのです。……そういう喜びの生活をしていけば、神様は喜ぶ人を喜ぶし、万物を喜ぶ人を喜ぶのでその人は必ず良い方向に向かっていきます」1920ページ)

 信仰生活は、神様と一緒に喜ぶ生活です。神様は、私が喜んでいる姿を見て喜ばれるのです。世の中でも、「引き寄せの法則」や「鏡の法則」などの自己啓発が注目されましたが、喜びが新たな喜びを呼び込み、さらにいいことが起こるのです。また、私の内面が原因となって、全ての結果は現れてきます。

 「伝道しているのに渋い顔をしていてはできませんよ。何か内心から素晴らしいことがあふれるような円満な顔をして、今に希望をもって、未来に希望をもって伝道するのです」2021ページ)

 まず、自らの内面に喜びと希望をつくり出すことが、伝道の始まりだと言えるでしょう。そうすれば、自分自身が「世の光」となり、そこに人も万物も集まってきます。

⑨人に倣う
 「人に倣っていく方法が一番利口な方法です。環境から情報を集めて自分の目的に向かって消化していくことは、発展の早道です。……今でもいいものがあれば、それを倣って横取りして自分のものにしよう、と思っています。……多くの人々のいいところを、自分に早く引きつけて同化させる主体性をもったとしたなら、そこに多くの人を指導し得る能力が生まれる」22ページ)

 伝道が思うようにいかないとき、人は二つのタイプに分かれます。一方は、実績のある人に嫉妬し、ケチをつけようとするタイプで、もう一方は、実績のある人に感心を持ち、声をかけ、学ぼうとするタイプです。どちらが、次の伝道の勝利者になるかは一目瞭然でしょう。実績が出ないときこそ、成長のチャンスです。人に良く指導を受ける人が、人を良く指導できるようになります。

⑩摂理観
 「今日のそういう環境、そういう現状を胸がつぶれるような思いをもって眺める悲惨な神様の前に、その摂理を背負われなければならないお方と人々のつらい立場を考えて、我々は一つにならなければなりません」26ページ)

 私たちが天の摂理を理解し、同参するのは、なぜでしょうか?

 摂理は、神様が抱えられた事情です。愛する子女を失った親の心情を最も理解できるのは、同じ事情を抱えた人でしょう。私たちが神の真なる子女になるためには、親の事情を知り、心情に通じなければなりません。ですから、苦労することが分かっていながらも摂理に同参するのです。

 そして、その摂理の目的は、「今の困難なこの世界と時代に、我々の何年間の活動によって新しい方向性と新しい理想圏が生まれるという偉大な奇跡が必要なのです」32ページ)とあるように、国を生かす(復帰する)ことです。これが伝道の全体目標なのです。