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コラム・週刊Blessed Life 276
今度はハワイのマウイ島で大火災発生

新海 一朗

 8月8日、地上の楽園、ハワイのマウイ島で大火災が発生。ラハイナの街は、一面、焼け野原となり灰燼(かいじん)に帰してしまいました。
 ハリケーンによる強風で、大規模森林火災が起きて燃え広がり、ラハイナの市街地が猛烈な火災に見舞われてほとんど消失してしまう惨状となりました。

 14日時点で、死者が99人、行方不明者が1300人に上っています。
 ハワイで起きた記録史上最悪の自然災害は、61人が死亡した1960年の津波でしたが、今回の火災はそれを上回ったことになります。最終的な被害者数がどうなるか分かりません。

 最も甚大な被害に遭ったマウイ島西部のラハイナでは10日午後までに、火事の80%が鎮火されたものの、今も火はくすぶり続けています。
 マウイ島西部では、電力と水道の復旧の見通しが立っていません。ラハイナの街だけで、1000棟以上の建物が焼失して、当局の発表では、修復と復興には数年かかる恐れがあるとしています。

▲マウイ島

 マウイ島の森林火災は8日夜に始まりました。出火そのものの直接の原因は明らかになっていませんが、出火後には乾燥した空気と、太平洋で発生したハリケーンの風の影響で大きく燃え広がったと見られます。

 ハワイ州のシルヴィア・ルーク副知事は、8日夜に緊急事態を宣言、災害支援に向けて州兵を招集しました。
 ジョシュ・グリーン州知事は「この災害の全容が語れるようになるまでに、何十人もの人が命を落とし、何十億ドルもの財産が破壊されると思って間違いない」と述べました。
 また、被害が集中しているラハイナの街について、「まるで爆弾がラハイナを直撃したみたいだ。みんな口をそろえてそう言うはずだ」と語っています。

 カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム知事は10日、捜索救助隊を派遣して復旧作業を支援すると発表し、「人命を奪い、ラハイナの歴史的な町を破壊したこの恐ろしい森林火災の中、われわれはマウイ島の人々と全てのハワイの人々を支える」と、米ソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)に投稿しました。

 マウイ島の大火災被害を耳にする1週間前には、北京の大洪水惨事のニュースに釘付けになったばかりです。
 北京は水、マウイ島は火、水火の被害が街を襲い、人々は避難し、被害は甚大となり、復旧の見通しは見えていません。

 北京の被害が大きくなったのは、当局は一切触れませんが、永定河のダムが満杯になるのを恐れ、ダムの水量を調整するために、ダム水を放出したといわれています。
 しかも、習近平が手がけている雄安新区の一大建設事業の地域に被害が及ばないように調整したことなどもうわさに上っています。

 拓殖大学の富坂聰教授は、現地に住む友人の「北京の水を河北省に流した」という証言を紹介し、120万人以上が避難しなければならないほどの水が河北省に流れ込んだのは、首都北京を守るために計画されていたことだったと、驚きの事実を伝えています。こうなると、人災として巨大な洪水被害が北京の周辺省(河北省、山東省)に広がったということになります。

 マウイ島の災害が巨大化した原因に、人災の要素はなかったか検証が必要でしょう。
 ハリケーン「ドーラ」の強風だけでなく、避難指示の遅れや、警報システムが作動しなかったことなど、人的なミスも重なっていることを見逃すことはできません。