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世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

中国、党幹部による「北戴河会議」開催へ

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、731日から86日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 中国、「北戴河(ほくたいが)会議」開催(81日から)。ワシントン大陪審、米議会襲撃巡りトランプ氏を起訴(1日)。中国、豪雨で300万人が被災、中国政府公表(2日)。ウクライナ和平会議サウジで開幕、中国や新興国参加ロシアは不在(5日)。韓国統一省が刷新、拉致解決優先組織へ、日本と連帯(6日)、などです。

 中国は今、内外の重要課題に直面しています。経済成長の減速、若者の就職難、緊張状態が続いている対米関係などがそれです。
 党指導部内の意思統一を図り、的確で効果的な施策を提示し実行しなければならないのです。さらに秦剛前外相の突然の解任、軍幹部の人事などにより政府や軍が混乱しないように、引き締めを図る必要があります。

 恒例の「北戴河会議」が始まったと思われます。今年は特に上記の懸案の解決に向けた方向性を探る上で重要な機会になりそうです。

 「北戴河会議」は、その開催や結果といった情報は公表されません。「会議」といいますが、共産党指導幹部が河北省の避暑地・北戴河で夏季休暇に入る時期と重なり、この間に党指導者らは、それぞれの別荘を拠点に個別会合を重ねるとされます。この起源は毛沢東時代の1950年代後半にさかのぼります。

 国営新華社通信は、習近平主席の側近で党序列5位の蔡奇中央書記局書記が83日、科学技術専門家らと北戴河で会議を開催したと報じました。
 さらに、習氏の動静として81日に大雨被害に関する重要指示を出したと伝えられて以降、動向に関する情報が途絶えています。これらの出来事は、党幹部らの休暇入りを事実上確認するものと見られるのです。

 習氏政権3期目が発足して初の「会議」は重要です。これまでの会議において共産党指導部は、長老らの意見を聞き取る場として会議の開催を慣例としてきましたが、今回は、根強い影響力を誇った江沢民元国家主席が昨年11月に死去したことによる、質的に異なる会議になりそうです。
 昨秋の共産党大会で指導部に当たる政治局員(24人)をほぼ自派で固めた習氏に対し、長老らの発言権は低下していると見られるからです。

 しかし今年は、直面する内外の重要課題があり、秋には経済政策が主要テーマの党重要会議・中央委員会第3回総会の開催と11月に米サンフランシスコで開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)会議に合わせた習氏の訪米などを控えています。

 北戴河会議終了後の党幹部の発言は、非常に重要な意味を持つこととなります。
 恒例のものとはいえ、重大な関心を持って動向を追っていく必要があります。



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