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信仰生活講座 2
授受作用が深まり愛が成長

 2008年から2009年にかけて『中和新聞』(タブロイド版)で連載された「信仰生活講座」を8回シリーズでお届けします。執筆者は、多田聰夫氏(本部伝道教育部長/当時)です。
 信仰生活における課題解決にご活用ください。(一部、編集部が加筆・修正)

授受作用が深まり愛が成長~愛の成長は信仰の深化

 私たちは、原理は真理であると確信して信仰の道へ進み始めた者たちです。真理に出合った喜びは何にもかえられないものです。また、その真理は「知る」だけでよいというものではなく、実践して「実体」となり、神の「心情」を体恤(たいじゅつ)することに役立てるべきものなのです。

生活は春の雰囲気で
 創造原理にあるとおり、あらゆる存在は単独では存在できません。私たちは一人では本性的な喜びを感じることはできませんし、力が出ないことをたびたび経験します。故に、相対的関係を信仰生活の中で結ぶことが必要です。

 では、どうしたら相対的関係を結ぶことができるのでしょうか。そのためには力が必要です。『原理講論』には「あらゆる存在をつくっている主体と対象とが、万有原力により、相対基準を造成して、良く授け良く受ければ、ここにおいて、その存在のためのすべての力、すなわち、生存と繁殖と作用などのための力を発生するのである。このような過程を通して、力を発生せしめる作用のことを授受作用という」とあります。

 神様と人間、カイン格とアベル格、夫婦、親子、兄弟姉妹、人間と自然、人間と人間、自然と自然、全てが相対的関係を持って存在するには力が必要ですので、当然そこには「授受作用」の原則があるのです。

 私たちは、授受作用と信仰生活との関係をしっかりと理解する必要があります。授受作用を発展させ、深めていくことが信仰生活です。授受作用の深化により愛が成長していくのです。授受作用の目的は、主体と対象が一体化して共に喜びを味わうことです。神様の創造の動機も「喜びたい」でした。ですから、信仰生活は一体感を得て喜びを味わい、春のような雰囲気を感じることなのです。

愛は相手に届いているか
 では、どのようにしたら授受作用を通して力を得られるのでしょうか。

 授受作用は相手の本心を信じることから始まります。神の子であることを信じることです。そして、「私の心を開く」ことです。心を開くとは、本心に対し素直になることです。環境から影響を受けて感情的になりがちですが、心に浮かぶ怒りや反感や反発などに左右されるのではなく、根底にある、相手に対する愛情をしっかりと確認することです。

 心を開くことにより、相手の願いを知ることができます。それにより、「相手の心と共感する」ようになるのです。喜びを共感し、悲しみを共感し、苦しみを共感することができるのです。神様との関係や、真(まこと)のご家庭との関係だけでなく、人間関係においても同じですし、特に家庭においても共感することが大切です。

 授受作用における「共感性」とは、お互いに心が分かり合っていることです。私たちは「愛している」と言いますが、相手に届いてないことが往々にしてあります。愛することは貴いのですが、次の段階として、その愛が相手にとって愛と感じているのか、つまり愛が届いているのかどうかが問題になります。愛は相手のためにあるので、しっかりと相手に届けなければ、せっかくの愛も何にもなりません。

喜びの関係性確立を
 そして相手と共感したとき、「相手の願いを実践する」ことができるようになるのです。この実践がお互いに喜び合える「ために生きる」ということです。そうすれば、授受作用によって一体感を味わい、お互いに分かり合えているという、喜びがあふれる関係性が確立していきます。そして、より大きな目的のためにより大きな一体化をなすように発展していくのです。

 以上のような、授受作用に挑戦することは難しいことではあります。しかしこの授受作用を成長させることが信仰生活です。この授受作用が愛を成長させていくのです。この授受作用が生活の中でなされなくなると習慣性の生活となり、心が成長しなくなるのです。

 信仰が成長するとは、愛が成長することです。愛が成長する授受作用を選択する道が私たちの責任分担としてあるのです。経験や知識に頼ってしまうと愛が成長しにくくなります。どんなに経験があっても、常に愛が成長する道を選択する必要があるのではないでしょうか。

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 次回は、「家族のような授受作用で愛が成長」をお届けします。


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