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統一原理補講 1
アダムの家庭を中心とする復帰摂理①

ナビゲーター:佐野邦雄

 「統一原理補講」は、1993年7月から1994年8月にかけて、あの伝説のメディア『氏族教会FAX-NEWS』に掲載されたシリーズです
 執筆者は、これまた伝説の原理講師、佐野邦雄氏です。30年の時を超えてよみがえる原理学習ページ。統一原理学習の補助教材としてご活用ください。(一部修正加筆し、小見出しを付け、読みやすく改訂しました)

人間堕落の結果と、メシヤの使命
 人間始祖アダムとエバは、本来神を中心として真の父母となり、神の直系の子女を生み、善なる家庭、氏族、民族、国家を形成するようになっていました。
 しかしアダムとエバは、堕落することによって真の父母の立場を失い、サタンを中心とする悪の父母の立場に立ち、サタンの血統である悪の子女を繁殖するようになってしまったのです。

 堕落はどこまでも人間自身の過ちから起こったことですが、人間を永遠性をもって立てた創造原理的基準があるので、父母なる神は直ちにアダム家庭を中心とする救いの摂理を始められたのです。
 救いとは本然の位置に復帰することですから、その摂理によって、サタンの血統下にある人間を神の血統にある真の子女に重生させるために、真の父母としてのメシヤを迎えなければなりません。

 そこで神は、アダムとエバの堕落の実である子女を堕落の経路に従って長子カインを悪表示体、次子アベルを善表示体として分立し、蕩減条件を立たせることによって、真の父母を復帰しようと計画されました。

アベル・カイン問題は復帰摂理の根本的課題
 すなわち、本来はアダムが三大祝福を成就することによって立てるべきであった「信仰基台」と「実体基台」を、蕩減復帰原理に従って、アダムの分身であるカインとアベルが復帰することによって、アダムとエバを真の父母の立場に戻そうとされたのです。
 このことにより、アベル・カイン問題は復帰摂理の根本的課題となり、また同時にこれは私たちの信仰生活においても生命線とも言える課題なのです。
 なぜなら、アベルとカインによる「信仰基台」と「実体基台」復帰の上で、「メシヤのための基台」が造成され、メシヤを迎えて、初めて原罪が清算される道が開かれるからです。

なぜ「実体基台」を復帰できなかったのか
 さて「信仰基台」は、アベルが中心人物として神のみ言を信仰と忠誠を持って守ることによって供え物を条件物として立てて復帰することができました。
 しかし「実体基台」は、アベルを「実体献祭」の中心人物としてカインが代表して「堕落性を脱ぐための蕩減条件」を立てることによって復帰するはずでしたが、神から供え物を顧みられなかったカインが恨みを抱いてアベルを殺すことにより失敗してしまったのです。

 ここでなぜ失敗したのかを考えてみましょう。
 「信仰基台」の復帰が神と人間との間の縦的蕩減復帰であるのに対して、「実体基台」はアダムと天使長という堕落によって怨讐(おんしゅう)関係となってしまった立場をアベルとカインが担当して横的蕩減復帰をしなければならないのです。
 つまり「信仰基台」が神への個人としての信仰が問われるのに対し、「実体基台」は、アベル・カインが怨讐関係を越えて一致しなければならず、アベルとカインがそれぞれ真の愛による勝利的人格を確立して一体化したところに初めて勝利がもたらされるのです。

アベルにもカインにも堕落性がある
 アベルとカインはおのおの善と悪との表示体でありますが、いずれも堕落した善悪の母体であるアダムの血統を継いだ者ですから、アベルの中にも堕落性本性があり、カインの中にも創造本性が存在しているのです。すなわち、両者に堕落性本性があり、創造本性があるのです。
 どこまでも蕩減復帰原則を立てるために分立したのですから、二人がアダムを真の父母として復帰するという一つの目的のもとに歩み寄らなければ勝利はもたらされません。
 アベルが善の立場を主張すればするほど傲慢(ごうまん)になり、カインが悪の性禀(せいひん)に主管されるほど不満と恨みが募ってきます。

 そこで、アベル・カイン問題を勝利するためには、これを二人という別個体間の問題と考える前に、私個人の中にある問題として理解して勝利しなければなりません。
 『原理講論』(295ページ)には「我々の個体の場合を考えてみると、善を指向する心(ロマ 七・22)はアベルの立場であり、罪の律法に仕える体(ロマ 七・25)はカインの立場である」とあります。
 これはアベルにもカインにも共通して言えることですから、おのおのが心の命令に体を従順に従わせて、堕落性を克服した善化された個体として完成すれば、おのずとアベルとカインは一つとなって「実体基台」は復帰されるのです。

まずは一人一人が内的アベル・カイン問題の勝利者に
 アダムの家庭が見せてくれた教訓として『原理講論』(301ページ)にある「堕落人間は常にアベル的な存在を求め、彼に従順に屈伏することによって初めて天が要求するみ旨を自分も知らないうちに成し遂げていく」という内容は、本質的には私たち一人一人が自己主管を成し遂げて、アベル的人格を確立していくべきことが説かれていると見ることができます。

 今日、成約時代を迎えて蕩減の時代から創造の時代に入り、信仰生活の課題もアベル・カイン問題から各自が真の父母の基準を目指す氏族的メシヤの段階となりました。
 1989年8月31日八定式の宣布をもって縦・横八段階の蕩減条件を皆立てられて一切のアベル・カイン問題を越えられた真の父母に倣い、私たち一人一人にその勝利圏相続が願われています。
 今こそ、アベル・カイン問題を外的組織的観点から内的視点に移して、まず各自が本質的勝利を成し遂げていきましょう。



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