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共産主義問題が分かる 10

 「共産主義」とは一体何なのか? 国際勝共連合のサイトから、共産主義問題や勝共理論が分かるコンテンツをご紹介します! 各回、3分ほどでお読みいただけます。(一部、編集部が加筆・修正)

第二章 迫りくる共産主義の脅威
体制共産主義の脅威

①中国の軍事的脅威
中国は核ミサイルを日本にいつでも発射可能

■中国の脅威-恐るべき軍事的拡大

 かつて中国と台湾の間で、戦争直前にまで至る一触即発の状況があったことをご存知でしょうか。1996年の台湾総統選挙の際に、中国の意向に反する李登輝氏が優勢となり、中国が軍事的挑発を行った事件です。

 中国軍が大規模な軍事演習を行い、台湾海峡に10発のミサイルを撃ち込みましたこれを台湾海峡ミサイル危機といいます

 このとき中国軍の熊光楷中将がアメリカに対して、「アメリカ軍が介入すればアメリカ西海岸に核兵器を撃ち込む。アメリカは台北よりもロサンゼルスの方を心配するはずだ」と言って牽制しました。

 しかしアメリカはひるみませんでした。台湾海峡に2個の空母打撃軍を派遣したのです。空母とは甲板で航空機を離発着できる艦船で、空母打撃軍とはこの空母の周囲に護衛艦や補給艦、潜水艦などを従えた船団のことです。アメリカ軍の1つの空母打撃軍で、1国の軍事力に匹敵する能力を備えるといわれます。なおアメリカ軍には、この空母打撃軍が11個あります。

 アメリカの空母1隻には戦闘機が6080機積まれています。空母2隻で100機以上です。これに対して当時の中国軍の戦闘機は互角に戦える機種が数十機しかありませんでした。これでは勝負になりません。中国は泣く泣く撤退しました。

 しかしその後中国は、戦闘機の大量生産を進め、作戦機約3000機を保有するようになりました米軍に次ぐ世界第2位の数量で、自衛隊の6倍以上です。しかも空母を1隻保有し、2050年までには5隻を保有する予定です。もちろんアメリカ軍に比べれば性能も練度も格段に劣りますが、以前のように圧倒的な軍事力の差を見せつけられるような状況ではなくなりました。むしろ毎年大変な勢いで軍事力を増強させているので、アメリカと対等な立場に立つのも時間の問題といえるでしょう。

 すでにやっかいなのがミサイル兵器です。中国軍には陸海空軍のほかにロケット軍があり、中央から直接の指揮を受けています。もし「核ミサイルが飛来するかもしれない」という状況になれば、国民の不安は頂点に達します。あなたは平然としていられるでしょうか。民主主義の国では混乱によって政治機能が停止するかもしれません。たとえ被害は小さくとも、ミサイル兵器には極めて大きな政治的能力があるのです。

 中国軍が保有するミサイルの中で核弾頭の搭載が可能なものには、日本を射程に収めるDF-21DF-3、アメリカ本土の大半を収めるDF-31DF-31A、ワシントンやロサンゼルスまで到達するDF-5Bなどがあります。小型の核弾頭を3個搭載できるものもあり、大変な破壊力です。特に命中精度が高いDF-21は移動する空母への攻撃も可能で、「空母キラー」としてアメリカ海軍に恐れられています。

 核弾頭ではない通常の弾頭を装備するミサイルとしては、命中誤差が10m以下という高い精度のものが台湾正面に多数配備されていますこれは沖縄の南西諸島も射程に含みます。このミサイルが2015年時点で1200発以上、発射機が200300基配備されていました。

 つまり中国が台湾を攻撃しようと思えば、一度に200300発のミサイルを正確に発射でき、しかもそれを56回繰り返すことができるのです。これはとても迎撃しきれません。このように、迎撃能力を超えるミサイル攻撃を飽和攻撃と呼びます。

 中国軍の脅威の一つに、急速な近代化に成功していることが挙げられます。国家ぐるみでサイバー攻撃に取り組み、大量の機密情報を盗んでいることによるものです。

 またアメリカ軍や自衛隊の兵器は高度に近代化されています。無人偵察機や偵察衛星を通して収集した情報をもとに、効率的な戦闘方法が瞬時に計算されます。そしてその指示が艦艇や戦闘機、戦闘車両、そして一兵士にまで共有されます。こうして従来では考えられないほど安全で、かつ精度の高い戦闘が可能になるのです。

 しかしこれを逆に見れば、もしそのネットワークが破壊されれば作戦行動はほぼストップします。サイバー攻撃による情報通信基盤の破壊、データの改ざんなどが行われれば、前線部隊は身動きが取れなくなってしまうのです。

 中国はまた、宇宙空間にある偵察衛星の破壊実験にも成功しています。衛星が破壊されればほとんどのテータが手に入りません。中国はアメリカに対して、兵器の性能や練度、規模などでは劣っても、敵の弱点を効果的に突くことで優位に立とうとしているのです。


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